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多くの教本を出版されている遠藤蓉子さんのピアノ導入教本です。

主に子ども向けのピアノやリトミックのテキストや、ワークブックをたくさん出版されています。

その中でも比較的新しく出版され、対象年齢としてはちょうど中間に位置する「キッズ・ピアノ1〜5」

今回はこちらの内容を紐解いて、おすすめポイントを紹介します!

キッズ・ピアノ1〜5

「たのしいレッスンのために キッズ・ピアノ」1〜5

著者の遠藤蓉子さんは、ホームページによると「ピアノ教育研究家」でいらっしゃいます。

本当にたくさんのテキストを出版されています!

その理由についてホームページの「テキストのこだわり」というところを拝読すると以下のように書いてあります。

作っても作っても、これでいいということはなくて、一つの問題を解決したら、また別の考えが浮かんできて、もっとこうしたら、こんなのはどうかしらということで私の研究は前に進んでいきます。作れば作るほど考えは深まって、そこに到達する前にはわからなかったことがわかるからです。

http://yoppii.g.dgdg.jp/concept.html(2021.6.16)

アメリカの有名なピアノテキストを出版しているバスティン もバーナムも何冊も出版されています。

テキストを作るということは終わりがない研究だということが良くわかります。

そんな中で、どのテキストを選んだらいいかという質問には遠藤蓉子さんは以下のように答えています。

答えは簡単です。先生がお好きと思われるテキストを選んでください。

http://yoppii.g.dgdg.jp/concept.html(2021.6.18)

著者ご自身も、若い頃に作ったテキストには「さゆえのシンプルさがあり、それにはかなわないと思うこともある」とのことで、新しいものが一番いいというわけではないということです。

今回ご紹介する「キッズ・ピアノ」は色音符が可愛らしいテキストです。

初版は2010年で、ピアノの導入テキストとしてはかなり新しいものです。

特徴・使い方は?

テキスト冒頭の「はじめに」を見てみます。

本書は、ピアノの習いはじめにおいて、小さい子供達が楽しく音楽に接することができるようにと考えて作られたテキストです。

(略)

具体的には2008年1月に出版しました「にじいろワークブック」からインスピレーションを受けたものです。

「にじいろワーク・ブック」の楽しさをもっとピアノにおいても反映できるテキストを作りたいという思いが出発点となっていますので、「にじいろワーク・ブック」と一緒に使っていただければさらに円滑にレッスンを進めることができいます。

「キッズ・ピアノ1」はじめに

特徴

とにかく「楽しく」ということを大切にされています。

テキストを見るととてもシンプルで、にこやかな表情の動物や子どもたちが描かれていて、子どもが退屈しないように工夫されていることがわかります。

「にじいろワーク・ブック」は音符を覚えるための5冊からなるワークです。

色を塗ったりクイズをしたりと、いろんな角度から音符に取り組みます。

その楽しみながら取り組む形を、「キッズ・ピアノ」は引き継いでいます。

使い方

習い始めの初期においても、何かの曲を弾きたいという子供の気持ちを先生とのアンサンブルによって実現するということです。

「キッズ・ピアノ1」はじめに

先生が一緒にピアノを弾くことで、少ない音でも曲を完成させて、達成感を味わうことができます。

1人で練習するときのために歌詞もつけていますので、元気よく歌いながら楽しく弾いてください。

「キッズ・ピアノ1」はじめに

ピアノの音だけではなく、歌を歌うことでより楽しく曲と向き合う工夫がされています。

内容は?

第1巻

  • 真ん中のドから始める
  • 右手はドレミ、左手はドシラのそれぞれ3音ずつのみ
  • 付点のリズムはなし(八分音符・四分音符・二分音符・全音符)

第2巻

  • 右手はドレミファ、左手はドシラソのそれぞれ4音ずつ
  • 両手の同時奏を色音符により生徒の負担を軽減
  • 第1巻に加えて付点二分音符が登場

第3巻

  • 右手はドレミファソ、左手はドシラソファのそれぞれ5音ずつ
  • 「かたつむり」の動揺に合わせて付点四分音符を導入

第4巻

  • 右手ドレミファソ、左手ドレミファソ
  • はじめてポジション移動をする
  • リズムは新しいものはなし。第3巻までのものを定着させる
  • スタッカートやタイ、付点四分音符が自然な形で弾けるようになることが目的
  • フォルテ・ピアノの強弱記号
  • 長調・短調の響き

第5巻

  • 右手左手ともドレミファソラシド
  • 付点八分音符、三連符、十六分音符が登場
  • ディズニーやアニメの曲、クラシックの聞き覚えのあるテーマを弾く

ポイント1:圧倒的にわかりやすい色音符!

色音符とは、その名の通り、音符に色がついています。

ど→赤

れ→黄

み→緑

ふぁ→オレンジ

そ→水色

ら→紫

し→ピンク

というかたちで、それぞれの音に決まった色が与えられていて、音符のたまの部分にそれぞれの色がついています。

音は楽譜の中では、どこに書かれているかという場所で覚えますが、これが小さなお子さんや、大人の方でも、わかりづらく覚えることが大変です。

ところが色がつくことで、何の音符が書かれているのかとてもわかりやすくなります。

音符を読むハードルが一気に下がります。

色音符で新しい音に慣れて、次第にその場所にも慣れていきます。

そうすることで、楽譜を読むことにスムーズに親しむことができます。

ポイント2:ゆっくりじっくり進む

1巻で使う音符は5つ、2巻ではそれに2つプラスして7つ、3巻ではさらに2つプラスして9つ。

という具合に、新しい音符が出てくるペースがとてもゆっくりです。

進度が早いテキストだと、1巻の半分で終わるような内容を、3巻に分けてじっくりと進みます。

新しい音符が出ないからといって、単調な練習を繰り返すわけではありません。

使える音符で、童謡や、クラシックの旋律を、先生と一緒にたくさん弾きます。

出てきた音符が定着する前にあいまいなまま先に進んでしまうと、進むほどに混乱してしまうということが良くあります。

音符を理解して分かったと思っても、すぐには弾けなかったり、音の名前が言えないようなあいまいな状況をそのままにせず、

じっくりと定着させることができます。

ポイント3:シンプルなデザインと内容

ピアノのテキストは本当にたくさんあふれていています。

テキスト作者やピアノ教師の理想をゴールに設定して、

そこから逆算するように、漏れなくたくさんのことが盛り込まれているものも多くあります。

一方で、「ピアノ・キッズ」は、そういうものとは少し違います。

これからピアノを弾こうという人の視点に立っていて、「シンプルでわかりやすく楽しく」という思いがみられます。

何をやればいいのか一目瞭然で、わかりやすく、

どの音符を覚えればいいのかわかりやすい。

複雑なピアノテキストが増えている中、シンプルなデザインは、ピアノを弾きたいと思う人に寄り添った優しさのように感じます。

このテキストに足りないところ

  • 腕、手、指などの体の使い方に関しての詳細には触れられていない。
  • 音色につながるテクニックは解説がない。
  • コードや音楽理論の解説がない。
  • 有名な曲がタイトルで並んでいるけれど、難しい部分は連弾で先生が弾いて、生徒は簡単なハモリ部分を弾くことになるので、知っているメロディを弾くことになり消化不良になることも。

こんな人にオススメ!

  • ゆっくりじっくり確実に音符を覚えてピアノを弾けるようになりたい人
  • 細かい楽譜を読むことが苦手な人。
  • シンプルなデザインが好きな人

テキスト概要

  • たのしいレッスンのために キッズ・ピアノ カラー・カードつき 1〜5巻
  • 2010年出版
  • 著者:遠藤蓉子
  • サーベル社
  • 曲数:
    • 第1巻・・・40曲
    • 第2巻・・・41曲
    • 第3巻・・・38曲
    • 第4巻・・・42曲
    • 第5巻・・・39曲
  • 対応ワークブック:にじいろワーク・ブック
  • レベル:導入〜初級レベル
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楽しいピアノライフを!

色音符でたのしい!「キッズ・ピアノ1〜5」【子ども向け導入教本#18】” に対して1件のコメントがあります。

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