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バーナムピアノのテクニック

今回は全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)の調査でもっとも使用されているという結果こちらのアンケートを参照しました)もあるバーナムのテキストをご紹介します。

バーナムとはアメリカのピアノ教育者で、多くのピアノの本を出版しています。

その中でも日本でもっともポピュラーなものが「バーナムピアノテクニック」です。

前編ではこちらの内容を紐解いていきます。

「バーナム ピアノテクニック」とは?

著者のエドナ・メイ・バーナムさんによって、アメリカで1953年以降に各巻が出版され、

中村菊子さんによって1975年に日本で出版されました。

テクニックのシリーズは全部で7冊です。

  • ミニブック
  • 導入書
  • 第1巻
  • 第2巻
  • 第3巻
  • 第4巻
  • 全調の練習

7冊のうち「ミニブック」は幼い子どものレッスンに対応するように後から出版されています。

原語のタイトルは「A DOZEN A DAY」(1日に12曲)といいます。

その題名通り、12曲の短い曲が1つのグループになっています。

そして、一冊にグループ5まであります。

つまり1巻は全部で60曲です。

使い方・目的・練習方法は?著者バーナムの言葉から

著者のエドナ・メイ・バーナムさんによる「まえがき」を見てみます。

(前略)

このシリーズは、世界中のたくさんの先生方が—理想的な毎日の練習の本—として認めてくださっています。

(中略)

わたしたちのまわりには、毎朝、仕事に行く前に体操をする人がたくさんいますが、それと同じように、わたしたちも毎日ピアノの練習をする前に、指の体操をしてみましょう。

この本の目的は、強い手と柔軟性のある指をつくることです。ですから、いきなりグループ1全部の練習をマスターする必要はありません。まず2つか3つを手がけて、それを毎日、練習の前に弾きます。そしてマスターできたら少しずつ増やしていき、グループ1の練習が完全に弾けるようになったら、同じ方法で順々に新しいグループに進みます。また各巻とも終わったら、調子を変えて練習してみることも良いことです。

(後略)

エドナ メイ バーナム「バーナム ピアノ テクニック ミニブック」1975年

使い方

  • 毎日ピアノの練習をする前に、指の体操として

ということです。

つまり、メインのピアノテキストとしてではなく、練習前の準備として使うように作られています。

目的

  • 強い手と柔軟性のある指をつくること

タイトルの通り、ピアノ演奏に適したテクニックを身につけることが目的です。

練習方法

  1. まず2つか3つを手がけて、それを毎日、練習の前に弾く
  2. それをマスターできたら少しずつ曲を増やしていく
  3. グループ1(全部で12曲)の練習が完全に弾けるようになったら
  4. 新しいグループに進む
  5. 各巻とも終わったら、調子(調、キー)を変えて練習してみる

「1日に12曲」というタイトルではありますが、

毎回12曲を練習する訳ではありません。

少しずつ増やしていって、12曲弾けるようになったらそのグループは完成ということです。

訳者 中村菊子の言葉から

続いて、訳者である中村菊子先生の「解説と使用法」を見てみます。

こちらはとても長いので、要点をまとめました。

特徴

  • 子どもの音楽性を豊かにすることに重点を置かれたテクニックの本
  • どの練習曲も一つ一つが体操や運動に例えられていている
  • 子どもの動作を描いた挿し絵といっしょに紹介されている
  • 実際の音楽の部分部分を用いて書かれた練習なので、内容は変化に富み応用範囲は広く、どの練習もすぐに役に立つ

身につけること

  • この本によって、柔軟性のある指を作りながら、同時にピアノの基本的なテクニックを習得することができる
  • さまざまな練習を何度も繰り返しながら徐々に高度なテクニックに進ので、無理なく楽しみながら、しっかりとしたテクニックを身につけることができる

挿し絵のイラスト

  • 想像力を育て、リズム感を呼び覚まさす挿し絵が付いている。
  • 心を捉え夢を持たせ自分から練習しようという気持ちを起こさせます。
  • まだ字を読むことができない幼児で、挿し絵を通してとらえられた印象を音にしてピアノの上で表現しようと試みます
  • 好奇心が旺盛で想像力のたくましい子どもは、一人でどんどん先へと進んでいきます

実現できること

  • 書かれた曲を通して作曲者の意図に沿って自分自身を表現する力
  • 柔軟性のある指を音楽表現に適合させたものであり、”指の運動と生徒の知識・情緒・意志がいっしょに合わさった表現力”

各巻の内容を紹介!

各巻の内容を、巻頭の「解説」を手掛かりにみていきます。

ミニブック

  • 小さい子どものために、他の巻より約20年遅れて作られた
  • 1曲がすべて4小節
  • 中央ドのポジションのままほとんどの曲を弾くことができる
  • 出てくる音符は、全音符、付点2分音符、2分音符、4分音符、8分音符(付点4分音符や16分音符は出てこない)
  • 三和音の練習
  • 親指をくぐらせる練習
  • 半音進行
  • 長調と短調の紹介(ドレミファソと、ドレミ♭ファソ)

導入書

  • 1曲が4〜8小節
  • グループ1〜3はハ長調
  • 両手ともドレミファソの5指のポジションで弾く
  • グループ4、5は臨時記号#や♭が出てくる
  • 出てくる音符は、全音符、付点2分音符、2分音符、4分音符、8分音符、三連符(付点4分音符や16分音符は出てこない)

第1巻

  • 1回目はレガートで、2回目はスタッカートでひくように指示がある
  • ドレミファソの基本の5指のポジションから、広げて6、7度、分散オクターブに広がる
  • 音階は2オクターブ
  • 三和音の転回形
  • 半音階
  • ターン
  • グリッサンド
  • ペダル
  • 出てくる音符は、全音符、付点2分音符、2分音符、4分音符、8分音符、三連符、16分音符、32分音符(付点4分音符は出てこない)
  • 第1巻に入る頃、ハノンなどを併用すると良い(訳編者中村菊子)

第2巻

  • 新たに出てくる練習
    • トリル
    • 指と手首を回す練習
    • 手を交差して弾く練習
    • 反復する三連符の練習
    • 一つの鍵盤をおさえたまま、他の指で旋律を弾く練習(指の独立の練習)
  • 出てくる調
    • ハ長調
    • ト長調
    • ニ長調
    • イ長調
    • へ長調

第3巻

これまで出てきた内容が少しレベルアップしている。

解説の中村菊子さんによると、第3巻の使い方は、

「すでに音のつぶをそろえて、きれいに感情を表現しながらピアノをひくテクニックを、ある程度、身につけられたと思います。

そこで第3巻が、『拍子』と『リズム』について考え、良いリズム感を育てることに重点を置いて勉強しましょう。」

と述べています。

第4巻

  • グループ1
    • イ短調のスケール、アルペジオ、和音
  • グループ2
    • ト長調で長・短・減・増の4種類の三和音を聞き分けられるようにさまざまな練習
  • グループ3
    • へ長調で展開形を含む四和音の練習
  • グループ4
    • ニ長調でターン、半音階、トリル、反復音、装飾音などの練習
  • グループ5(「新しい感覚の練習」(中村菊子さん))
    • #7つのロ長調と、♭5つの変ハ長調の異名同音のスケールの練習
    • 多調
    • 全音音階
    • 変拍子
    • トーン・クラスター
    • 黒鍵上の5音音階

全調の練習

  • 30のすべての長調と短調の易しい曲
  • 左のページに長調、右のページに平行単調が載っている。
  • 1曲は7〜12小節
  • 多くの曲は主和音(Ⅰ)と属七の和音(Ⅴ7)のひびきが強調されている。
  • 曲の難易度は第1巻から第2巻程度。

後編では、おすすめのポイントを紹介します!

日本一使われている!?「バーナム ピアノテクニック」の魅力【後編】子ども教本#17

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