たくさん出版されているおんがくドリル。
その中でも今回は「調」について勉強できる音楽ドリルを紹介します。
「1日1枚ハギトリ式 WAKU WAKU 調の勉強ドリル」
汐巻公子著の1日1枚ハギトリ式シリーズの「調の勉強」編です!
ピアノの教則本を進めていると、#や♭が次第に増えていき、、ト長調、へ長調、イ短調、と覚える名前も増えて、、、。
混乱しやすいポイントですよね。
これらのことをまとめて整理してスッキリしたいという方にぴったりです。
テキストの特徴
巻頭の著者の言葉を見てみます。
「1日1枚ハギトリ式 WAKU WAKU 調の勉強ドリル」は、ピアノ学習者が音楽を理解しながら、良い演奏をするために全調を判別できる能力を育成します。
調の判別は音楽の素晴らしさを知ることにつながり、音楽の世界の秘密を解く魔法の鍵(キー)です。
本書は、なだらかな階段を登るように無理なく楽しみながら近親調までをマスターできるドリルです。
汐巻公子(2008年)「1日1枚ハギトリ式 WAKU WAKU 調の勉強ドリル」ヤマハミュージックエンターテイメントホールディングス
まとめると
対象
- ピアノ学習者
著者はピアノ学習者へ向けて作ったと書いてありますが、中をみる限りピアノを学習していないとわからないという箇所はないので、他の楽器を演奏している方も使用できます。
私が考える対象者は、
- ピアノに限らず、楽器を演奏している方
- 調について知りたいという全ての方
目標
- 音楽を理解しながら、良い演奏をするため
- 調の判別で音楽の素晴らしさを知る
- 近親調までをマスターする
「近親調」とは、調と調の関係のことです。
このテキストでは、近親調のことを仲良しの調と呼びます。
ただ音を鳴らす演奏の先へ行くことを目標としていますね。
方法
- なだらかな階段を登るように無理なく楽しみながら
無理なく学びながら、音楽の世界の秘密を解く魔法の鍵(キー)=調の判別の力を身につけよう!ということですね。
内容
ここからは内容を細かく見ていきます。
内容は前半と後半に、大きく2つに分けることができます。
前半:基本となるルールを覚える
調を知る上で基本となることをはじめに覚えます。
- #と♭の書き方
- #と♭がつく順番
- #と♭から主音を見つけて何調か見つける方法を覚える
- ↑とは反対に、調の名前(主音)から、#と♭の付け方を覚える
ここまでが前半です。
ここまでで、全60枚中、25枚です。
後半:音階とその関係について
基本を覚えたら、音階となかよしの調(近親調)について学んでいきます。
- 長音階
- 平行調・・・短音階
- 属調
- 下属調
- 主和音
- 同主調
音階の関係を学ぶことで、より音楽を深く知ることができます。
それでは、こちらのポイントをご紹介していきます。
おすすめポイント1:初級者から調マスターへ!
このテキストは、音符が読めるようになる段階の初級者の方から使うことができます。
音符が読めて、#や♭の意味がわかれば大丈夫です。
#や♭を書く練習から始まるので、易しく、楽譜に詳しくない方でもスラスラと進むことができます。
著者が言うように、徐々にステップアップして、調をマスターするところまで行くことができます。
おすすめポイント2:なんども繰り返し書いて覚える!
特に前半の基本のルールを覚える部分では、同じ項目をなんども繰り返し書いて覚えることができます。
進み方がゆっくりなので、ハギトリ式で達成感を味わいながら、確実に身につけることができると思います。
おすすめポイント3:解説も問題も一冊で完結!
問題集でありながら解説書でもあるので、他のテキストを用意する必要もありません。
この一冊で理解することも、問題を解いて深めることもできます。
さらに1枚1枚の中に、解説と問題がセットになっているので、とても使いやすいです。
独学する方にぴったりです。
このテキストに足りないところ
- より易しくするためか、五度圏やテトラコードには触れずに解説しているので、なぜこうなるのか?の部分が足りない印象。なぜこうなるの?が気になる人には不向きかもしれません。そういう方は楽典(音楽理論の基礎)を学んでから、覚えるためにこちらを使うことをお勧めします。
- 後半の音階の部分は書くだけではなく、ぜひ弾いて響きを確かめることをお勧めします。
こんな人におすすめ!
- 調ってなに?という楽器初心者の方
- 楽典(音楽理論の基礎)はまだ勉強していないけど、まずは調について知りたい方
- 楽典は勉強したけど、特に調を強化したい方
- 調のことはなんとなく理解したけど、さらに確実に書いて覚えたい方
概要
- 1日1枚ハギトリ式 WAKU WAKU 調の勉強ドリル
- 2008年出版
- 著者:汐巻公子
- レベル:初級〜中級
- 全60枚
楽しいピアノライフを!
執筆者
ピアノ講師・ピアノ演奏家のピアノレッスンズ。
自宅教室で指導の傍ら演奏活動を行う。
「自分で奏る喜びをたくさんの人に」をテーマにwebサイト「ピアノ・レッスンズ」を運営。
中高教員免許(音楽)取得。
チャイルドカウンセラー取得。