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今回は、ブルグミュラー25の練習曲3曲目「牧歌」の難しさ、弾きやすさを分析していきます。

ゆったりとしている曲ですが、意外と弾きづらさを感じる方もいるかと思います。

数字で分析していきます。

牧歌の難易度

弾き易いポイント

秒間に3つ音を弾くゆったりとしたはやさ

作曲者のブルグミュラーはBPM=66と指定しています。1秒間に66拍刻む速さです。

これは、「牧歌」で最も多く出てきて、かつ最も早く弾く八分音符で1秒間に3つの音を弾く速さです。

1曲目の「素直な心」は1秒間に5つ、2曲目の「アラベスク」は1秒間に10この速さだったので、それに比べて「牧歌」がゆったりとした速さであることがわかります。

臨時記号が全部で4

ト長調というファに#がつく調で書かれていますが、曲の途中で出てくる#♭は4つと少なめです。

臨時記号は全て中間部分の8小節にまります。

29小節中右手は18小節、左手は14小節が同じリズム

曲を通して同じリズムが繰り返し出てきます。

右手は次のようなリズムが18小節あります。全体の6割以上の小節がが同じリズムになります。

繰り返されるリズム1

左手は次のようなリズムが14小節あります。全体の約半分が同じリズムです。

繰り返されるリズム2

同じリズムが繰り返されるので楽譜の中の音の長さを読む負担が軽減されます。

つまずきやすいポイント

楽譜を読むことにハードルを感じたり、演奏を難しく感じてしまう部分をまとめます。

つまずきやすく難しい部分というのは、見方を変えると曲が映える部分でもあります。

漠然と「なんだが弾きづらい」と感じるだけではなくその理由を理解して、より魅力的な演奏につなげていきましょう。

指広げ、指くぐりなどのポジション替えが48回。

1曲目「素直な心」が5指の基本的なポジションで弾く部分が多かったのに対して、この「牧歌」は頻繁に指を広げたり、縮めたりしながらメロディが進みます。

ポジションを広げるテクニックの回数は次の通りです。

  • 指ごえが8回
  • 指縮めが8回
  • 指広げが24回
  • 同じ音の指がえ8回

例えば中間部分の右手のポジション替えは次のように頻繁に出てきます。

1つのポジションに安定せずに、不規則に手の場所を変えます。

音が少ないのになんだか演奏しづらいと感じることに繋がります。

ポジションを広げるとということは、少ない音で広い範囲に音が行き来するということです。

伸びやかなゆったりとしたメロディになります。

となりの音(2度)を弾くことが少ない(45%)

次のグラフは、曲ごとに右手のすべての次の音との音程を割合で示したグラフです。

各曲の度数の割合

黄緑色の部分がとなりの音(2度)で繋がっている割合です。

どの曲も2度が最も多いのですが、その中でも「清い流れ」についで、「牧歌」は2度を弾く割合が45%と少ないです。

その代わりに3度の割合が多く、4度も曲中では決して多くないですが、他の曲と比べると割合は多めです。

となりの音がつながっていると音符を読むことに抵抗を感じない場合が多いです。

となりの音(2度)、ひとつ飛ばしの音(3度)、2つ飛ばしの音(4度)が不規則に出てくることは、楽譜の読みづらく感じたり弾きづらく感じるつまずくポイントになる部分です。

左手が声になる

中間の部分で次のように左手が3声になります。

2つの伸ばす音と、1つのリズムを刻む音の3つの楽器を左手で演奏します。

のびのびした音の厚みと、リズミカルな雰囲気が両方加わり、華やかになります。

オクターブのアルペジオが出てくる

ソから、2つ上のソまで、2オクターブをひくアルペジオのテクニックが登場します。

上級レベルにつながるこのテクニックが最後のところに一度だけ出てきて、音の広がりを感じます。

装飾音が7

リズムには含まれない飾りの音がブルグミュラーではこの曲で初めて登場します。

重くならず軽やかに流れるように装飾音を弾くのは、力まずに素早く指を動かす必要があります。

装飾音はキラキラとしていて、華やかさがまします。

概要

最後に数字で見た「牧歌」をまとめました。

参考までにご覧ください!

拍子6/8
全部の音の数456(繰り返しなしの場合344)
小節数37(繰り返しなしの場合29)
調号の数1
臨時記号の数4
声部最大4声
曲の中で1~3度が占める割合右手85%、左手99%
演奏時間67秒
速度アンダンティーノ
BPM66
八分音符を1秒間にいくつ弾くか3.3
同じリズムが出てくる小節右手18小節、左手14小節
指ごえ右手7回、左手1回
指縮め右手8回、左手0回
指広げ右手24回、左手0回
同音指がえ右手6回、左手2回

楽しいピアノライフを!

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ブルグミュラー「3.牧歌 Pastorale」の難易度を数字で分析!【ピアノ中級】” に対して1件のコメントがあります。

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