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せっかくピアノを習って安くない月謝を払っているのに、全然練習をしようとしない子どもにイライラ・・・

発表会が近づいているのにピアノに向かわない子どもにイライラ・・・

ついつい「練習しないならやめなさい!」と言ってしまい、言ってから後悔して落ち込む・・・

音楽の楽しさを身近に感じて欲しいと思って始めたピアノが、親子とも苦しみになっている・・・

ピアノを習っているお子さんがいるご家庭では少なくない現象です。

「ピアノの練習」についてつまずいた時に親としてできることをまとめました。

子どもが全然ピアノの練習をしないと思ったときに親ができること

習慣を味方にする

ピアノを演奏することは技術を身につけることですので、毎日コツコツとその技術を磨いて行くことが上達につながります。

1週間のうちに1回だけまとめて長時間練習するよりも、短時間でも毎日積み上げて行くことが大切です。

私たちの行動は90%以上が無意識の習慣で動いていると言われています。

無意識の習慣の行動がなぜこんなに多いのかというと、私たちの脳はなるべく余計なエネルギーを使わないようにできていて、決断するためには非常にエネルギーを使うので、なるべく無意識の習慣で動くようになっているのです。

この「習慣の力」を使えば、ピアノを弾くことも反復・継続することができるはずです。

習慣化するには技術が必要です。

その技術とは、「いかに脳が迷わずにスムーズにはじめられるようにするか」です。

選択肢が多かったり、見通しが悪かったりすると、取り掛かるまでに障害がありスムーズにはじめることができません。

具体的にやることは、3つあります。

習慣化の3つポイント

  • 迷わずにすぐ弾ける環境を作る
  • 「いつやるか」を決める
  • すでに習慣になっているものと結びつける

それではポイントを一つずつ見ていきます。

迷わずにすぐ弾ける環境を作る

習慣化する行動のハードルをできる限り下げましょう

少しでも見通しができないと感じるものがあると、はじめの一歩を踏み出すことが難しく感じます。

ピアノの場合は次のような工夫が当てはまります。

はじめの一歩をかんたんなものにする工夫

  • ピアノをリビングなど普段よくいる場所に置く
  • ピアノのふたの上に物がおかない
  • 練習している曲のページがすぐに開けるように付箋やクリップをつける
  • レッスンから帰ったら、楽譜をすぐにピアノのそばのわかりやすい場所に置く
  • すでに弾ける曲からはじめる

「ピアノの前に座る」というはじめの一歩が、できる限り簡単なものになるように工夫しましょう。

「いつやるのか」を決める

「何を練習するのか」はレッスンで先生から決められてきますが、「いつやるのか」はほとんどの場合決められていません。

「いつやるのか」を決めることで、習慣化していきます。

「何時になったら」と時間を決めることも有効ですが、時計を見て時間を守るという感覚は高度で、子どもには難しいものです。

時刻で決めるのではなく、「〇〇をしたらピアノ」というように行動と結びつけます。

例えば次のように決めると効果的です。

「いつやるか」を決める工夫

  • 学校から帰って手を洗ったらそのままピアノの前に座る。
  • 宿題が終わったらピアノの前に座る。
  • 夕飯を食べたら食卓からそのままピアノの前に座る。
  • おやつを食べたらすぐにピアノを弾く。
  • 朝起きて顔を洗ったらそのままピアノの前に座る。

「いつやるか」を決めるときに、「夕飯前に」や「遊びに行く前に」という形で「〇〇の前に」と決めることもあります。

ですがそうするとはじめるきっかけを掴みづらくなります。

はじめるタイミングを逃さないためには、「〇〇のあとに」と決めることの方が有効です。

すでに習慣となっている他のものと結びつける

「いつやるか」をさらに味方にするのが、すでに習慣になっていることです。

すでに習慣となっていることと結びつけて、ピアノを習慣化しやすくします。

日々の生活を考えるとすでに習慣となっていることはたくさんあります。

ピアノの練習の起点になるすでに習慣になっているもの

歯磨き、顔を洗う、手を洗う、お風呂に入る、ご飯を食べる、ランドセルを決まった場所に置く、靴下を脱ぐ、水を飲む、学校の宿題、音読、塾の宿題、等々・・・

これらの習慣を起点として、新しく習慣にしたい「ピアノの時間」を付け加えましょう。

練習にタイマーを使う

ピアノの前に座ることができたら、ダラダラと弾かずに集中して練習をしてほしいですね。

そのためにキッチンタイマーを使った練習をオススメしています。

「あの曲もこの曲も弾かないと、、、」

「30分練習しないと、、、」

と考えることは子どもにとってはゴールの見えない長い時間に感じられます。

タイマーを使って3〜10分に区切って短時間で集中した時間を繰り返すことで、ゲーム感覚で効果的な練習をすることができます。

こちらの記事で詳しく説明しています。

【オススメ】タイマーを使ったピアノの練習法【練習しない子へ】

この記事はアフィリエイト広告を利用しています。ピアノを習い始めると、多くの親が自宅での練習に悩まされてしまいます。 練習しないことにイライラ・・・。 ピアノに向…

子どもの「やる気」を最大限に引き出す

自分からやる気(内発的動機づけ)が起きるのは3つのポイントがあります。

  • 自律性・・・自分で決めたルールにそって動くこと
  • 有能感・・・自分の行動がもとで、良い結果につながったと感じること
  • 関係性・・・周りの人との関わり

それぞれに注目して、親としてできること、やってはいけないことを心に止めておきましょう。

子どもが決めることのチャンスをたくさん持つ

まずは、自分が決めたルールにそって動く「自律性」はやる気を引き出すだけでなく、生きて行く上で幸せを感じるための大事な役割を果たします。

自分の行動が強制されたものではなく、自分自身で選んだと感じる必要があります。

この欲求が満たされないことは、食欲が満たされないのと同じように、健康を害し不適応が生じることもあります。

単純なことでも、「自分で選び決めてそれを行動にしたい」と子どもは求めています。

例えば、先ほどの「いつ」ピアノの時間とするのかを決めるときも、強制的に決めるのではく、子どもの決定を尊重しましょう。

  • いつやるのか
  • 何分、何時間やるのか
  • どのように練習するのか
  • どの曲をどれくらい練習するのか
  • どの順番で弾くのか

単純な選択でも、その機会が与えられた被験者は、それが与えられなかった被験者に比べて内発的動機を高められたという実験結果があります。

どのようにしたらより多くの選択を提供できるか常に考えることはとても有効なことです。

親や先生はどのようにしたらより多くの選択を提供できるかについて検討する必要があります

子どもに決めてもらう時の注意点

子どもにあらゆる選択するチャンスを作ると言っても、なんでもやって良いという野放しの状態にするわけではありません。

注意する点が2点あります。

十分な情報を与える

子どもが自分で決めるときに何も知らない状態で決めることのないようにします。

例えば、練習の時間を決めるときには子どもは時々現実離れした目標を設定しようとします。

そうなる前に、今の客観的な状態を伝えることも情報を与えることの1つです。

客観的な情報なしに決めて実行できなかったときには、自分で選んだのに達成することができなかったという無力感を味わう事にもつながりモチベーションが低下してしまいます。

また、習慣化することがどれほどピアノの上達に役にたつかを伝えることも、必要な情報です。

自由放任と自律は違う

なんでも子どもに決めさせると言っても「やるべきこと」「やってはいけないこと」など制限をしなければいけないことはあります。

例えば、ピアノの練習は「毎日やること」で上達につながりますが、その大切さを子どもが実感することは難しいことです。

ここでは大人はどうしても「やるべきだ」と制限をしなければいけなくなります。

このときに必要なのは、「子どもの視点」「励まし」「正直さ」です。

決めつけて強制するのではなく、まず「子どもの視点」からスタートします。

子どもの中で何が起こっているのか理解しようと努力します。

「毎日練習したくない」と子どもが言ったときに、その発言がどのような気持ちからきているのか、子どもの立場に立って理解しようとすることが大切です。

制限を与える時に必要なこと

子どもの立場に立ち、子どもの視点から世界を見ようとする。

子どもがやる気をなくすやってはいけないこと

自分で決めて自分で動いていると感じる自律性が弱まると、「やる気」がなくなっていきます。

ピアノが上手になってほしいという思いの行動でも、全く逆の効果になってしまうので、すぐにやめましょう。

子どものやる気をなくす親の行動は3つあります。

  1. 脅し
  2. 目標の押し付け
  3. 監視

1つずつ順番に見てみます。

脅し

「脅し」というと日常からかけ離れて聞こえますが、よくあることです。

「ピアノの練習をしないと好きなものを取り上げる」ということも脅しです。

「この曲を今月中に弾けるようならなければ、ゲームを取り上げる」

など期限を設定して好きなものを取り上げることも脅しです。

目標の押し付け

先の見通しが立ちにくい楽器の習得では、よく起こることです。

「コンクールで賞を獲ってほしい」

「エリーゼのためにを弾けるようになってほしい」

「合唱の伴奏をしてほしい」

これらは、よく耳にする親の願望です。

「自分が好きな曲を弾けるようになってほしい」

「ピアノが好きになってほしい」

これらも、子どものためという皮をかぶった親の願望です。

これが「押し付けられている」と子供が感じるとそれは「やる気」をなくす原因になります。

自分の願望を、子どもの目標として押し付けないように注意が必要です。

監視

監視」とは、好ましくないことや望ましくないことが起きないように見張ることです。

ピアノを弾いているときにぴたりと横に張り付いて、少しのミスでも口を挟むこと

テキストの進度を自分の思い通りに進んでいるか管理するようにチェックすることも監視と感じられます。

どれも子どものためを思っての行動が少し間違えるとやる気を無くさせてしまうという難しさがあります。

大切なことは「いつも子どもの視点に立っている」ということです。

◆モチベーションを上げるためにできることはこちらで詳しく紹介していますので、興味がある方はご覧ください。

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やればできると感じられる

自分の決断と行動がもとで、いい結果が生まれたと感じることができると次のやる気につながります

この時ポイントは「自分の考えで行動した」と感じることが大切です。

親や先生に決められ、押し付けられた目標や行動の仕方で達成することができてもやる気に繋がる有能感は十分に感じられません。

良い関係を作る

ピアノを通して関わっている人たちと良好な関係を築いていることが、やる気につながります。

反対にうまく関係が築けていないとやる気は低下してしまいます。

指導して操る対象としてではなく、人として認め合える関係を築くことが自律的なピアノへの取り組みへとつながります。

◆親子の良い関係を築く方法はこちらで紹介していますので、興味のある方はご覧ください。

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大事なことは何か?

ピアノを習うことで、期待していることをもう一度見直してみましょう。

音楽の素晴らしさを楽しんで欲しい。

そう願ってピアノを始めた人が大半ではないでしょうか?

またコツコツと技術を身につけて達成する姿勢を身につけて欲しい。

そう思っていたはずです。

言われたままに練習をする受動的な態度が必ずしも理想的な態度とは限りません。

子ども自身が自ら楽しくピアノと向き合うためにできることをゴールに見据えて態度を考えましょう。

親が自分自身を見直す

誰かの自律性を支えることができる人は、「自分自身が有能で、自律的で、他人とうまく付き合っていると感じていなければいけない」と言います。

自分自身が自律的というのは、ピアノの練習に当てはめるならば、

親自身が「子どものピアノを上達させなければ」と、何らかの外からの圧力を感じていない状況です。

これはピアノの先生が自分の子どもにピアノを教える難しさに現れます。

ピアノを教えている立場上、子どもにも上手く弾いてもらわなければいけないという外からの圧力により子どもを見るので上手くいきません。

外からの圧力とはいろんな形で現れます。

  • 実質的に月謝を払っている父親の一言
  • 自分の子よりも上手に見える他の生徒さんの演奏(多くの場合、他の子の演奏は上手に聴こえます。隣の芝は青い。)
  • 他の教室で習っている子の進み具合
  • 音楽好きな祖父母の顔色
  • ピアノを習っていた自分の子ども時代
  • または、ピアノを習いたいけど習わせてもらえなかった自分の子ども時代

これらの圧力を感じて子どものピアノを支援しようとしている限り、それは上手くいきません。

自分自身が、他からの圧力関係なく心の底から「子どもにピアノを楽しんでもらいたい」と感じているかどうか自分自身を見つめ直してみましょう。

参考にした本

今回は次の2冊を参考に、ピアノの練習に当てはめて紹介しました。

詳細を知りたい方はぜひお手にとってご覧ください。

楽しピアノライフを!

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