ここでは「はじめての楽典ブック ミッキーといっしょ」を紐解いていきます。
どのようなテキストなのでしょうか?
ポイントと内容を詳しく見ていきます。
ポイント1見やすい!わかりやすい!
ブルグミュラーまでの知識が入った「楽典の入門書」ですが、解説は簡略化されることなく十分になされています。
お子さま向けと書かれていますが、解説内容は十分に必要を満たしています。
楽典をこれから学びたいという大人の方にも最適です。
楽典のバイブルといえば、音楽之友社から出版されている黄色い本「楽典 理論と実習」がありますが、こちらは詳細ではあるものの、少し読みづらさを感じる方もいるかもしれません。
それに比べると「はじめての楽典ブック」はとても見やすくわかりやすく構成されいています。
ディズニーのキャラクターが登場することで親しみやすいだけでなく、
解説や図もわかりやすいようになっています。
初級のピアノのレッスンで使用する楽典の本は、ワーク中心のものが多く出版されています。
ワーク中心のものは、何冊にも渡っていたり項目別にまとまっていないものや、説明が簡略させれすぎているものも見受けられますが、こちらのテキストは項目ごとに分類されていてとてもわかりやすいです。
ポイント2:索引があり、わからない言葉を調べられる
巻末には五十音に引ける索引がついています。
曲を弾いているときに楽譜に出てきた言葉がわからなくなったときに辞書のように調べることができます。
索引から調べれば関連することも書かれているので知識が深まります。
ピアノを習い始めたら一冊手元に置いておくと便利です。
こんな人にオススメ
- 楽器を始めたばかりの方
- 初級から中級の方で、楽譜に書かれていることのルールを知りたい方
このテキストに足りないところ
楽典の入門ということで、取り上げられていないものもあります。
扱いがない主なものは以下の通りです。
- 音程
- #5つ以上、♭4つ以上の音階
- 下属音、導音
- 三連符以外の連符
- 複付点音符
- 混合拍子
詳しい内容は?
こちらは1997年にヤマハミュージックメディアから出版されました。
長沼由美さんと、二藤宏美さんの編著です。
お二人はヤマハミュージックメディアから楽典やソルフェージュ、音楽史の著書を出版されています。
オールカラーでディズニーのキャラクターが登場する可愛らしいテキストです。
対象
5〜6歳以上の子ども
目的
楽しくレッスンを続けていくために楽譜の読み方でつまずかないように、最初から楽譜のいろいろなルールを正しく覚えていくことを目的としています。
「バイエル教則本」や「ブルクミュラー25の練習曲」を勉強するのに必要な音符、音階(#4つ、♭3つの調まで)、楽語にしぼっています。
内容
お子さまたちが親しめるように、漢字には全てフリガナがついています。
また、各項目の終わりには練習問題がついていて、覚えたことを確認できるようになっています。
各項目の最初のページには「ここでおぼえること」と題して、詳細な目次がついています。
巻末には「さくいん」が付いていて、わからない言葉を引けるようになっています。
次に各項目を細く見ていきます。
1.楽譜ってなに?
大譜表の各部分の名称を覚えます。
音の名前をイタリア語、日本語、英語、ドイツ語で
ただ名称が書いてあるだけではなく、わかりやすい解説もあります。
2.音符と休符
細かい音符は32分音符まで、解説と図でわかりやすく示しています。
付点音符は付点8分音符までで、複付点音符は出てきません。
休符も同じです。
その他、三連音符と前打音がここで解説されます。
3.拍子
1小節に音符がいくつ入るかというかたちで、4/4、3/4、2/4、6/8、3/8、2/2を解説します。
強拍、弱拍、アウフタクト、シンコペーションについてもここで学びます。
4.音階
全音と半音、#と♭を学んだ後に、長音階を学びます。
同時に主音、属音が出てきます。(下属音、導音は扱わない)
長調を学んだ後に3つの短調の音階(自然的・和声的・旋律的短音階)を学びます。
#4つまで、♭3つまでの調を覚えます。
ここで、平行調と同主調、転調と移調について学びます。
5.和音
音階和音を学んだ後に、4章で学んだ各調の1度、4度、5度、属七の和音が出てきます。
基本形と展開形もここで学びます。
6.いろいろな記号
強弱記号、スタッカートなどの奏法記号、Allegroなどの速度記号、dolceなどの表情記号、その他poco a poco などの記号がここでまとめられています。
D.C.など繰り返し記号も、ここで学びます。
以上内容を細かく見てきました。
テキスト概要
- 「はじめての楽典ブック ミッキーといっしょ」
- 長沼由美・二藤宏美 編著
- 1997年出版
- ヤマハミュージックエンターテイメント
- 併用テキストとして「はじめての楽典ワークブック ミッキーといっしょ」があります。
楽しいピアノライフを!
執筆者
ピアノ講師・ピアノ演奏家のピアノレッスンズ。
自宅教室で指導の傍ら演奏活動を行う。
「自分で奏る喜びをたくさんの人に」をテーマにwebサイト「ピアノ・レッスンズ」を運営。
中高教員免許(音楽)取得。
チャイルドカウンセラー取得。