ここでは丸子あかね編著 轟千尋作曲の「ちいさなおんがくかい」①②を紐解いていきます。
おすすめのポイントと内容を詳しく見ていきます。
- 1. ポイント1:子どもの視点に立ったデザイン
- 2. ポイント2:楽しい曲たち!
- 3. ポイント3:はじめてでなくても連弾やリズム練習にも使える
- 4. このテキストに足りないところ
- 5. こんな方にオススメ
- 6. 詳しい内容は?
- 6.1.1. 対象
- 6.1.2. 目的
- 6.1.3. 著者の思い
- 6.1. 丸子あかね先生の導入教材シリーズ
- 6.2. 「ちいさなおんがくかい①」音の名前とリズム
- 6.2.1. このテキストで学ぶこと
- 6.2.2. 取り組み方
- 6.2.3. 覚える順番
- 6.3. 「ちいさなおんがくかい②」大譜表とリズム
- 6.3.1. このテキストで学ぶこと
- 6.3.2. このテキストを使う前に学んでおいたほうがいいこと
- 6.3.3. 取り組み方
- 6.3.4. 進み方
- 7. テキスト概要
ポイント1:子どもの視点に立ったデザイン
イラストレーター尾田瑞季さんの可愛らしく優しいタッチの絵が、表紙だけではなく中身にも統一されています。
楽しげで優しい表情の動物たちと一緒にレッスンを進めていくような、温かな雰囲気が全体的にデザインされています。
動物たちの様子を見ながらお話を作るようにイメージを膨らませ、音楽の世界に入って行くことができます。
鍵盤図、音符、ことばなどは大きく書かれてわかりやすく、子どもが抵抗がなくレッスンに入ることができるようにデザインされています。
子どもの視点に立ったデザインが工夫されています。
ポイント2:楽しい曲たち!
先生との連弾で演奏するのは轟千尋作曲の素敵な曲の数々です。
子どもが演奏する2〜3音に伴奏をつけることでぐっと世界が広がります。
歌詞があるわけではありませんが、音楽だけでイラストやタイトルの世界を豊かに表現されています。
どの曲も響きやリズムにふっと注意が向くひと工夫された部分が必ず1箇所あるように感じました。
様々な音域を弾き、ピアノの魅力を存分に感じられる曲たちで構成されています。
ポイント3:はじめてでなくても連弾やリズム練習にも使える
ピアノをはじめて学ぶ子どものために書かれたテキストですが、鍵盤を使ったリズム練習にも使うことができます。
メトロノームに合わせて手を叩くようなリズム練習は単調になりがちですが、先生の演奏に合わせて、リズムに乗って簡単な音を演奏することは音楽の生きたリズム練習になります。
一人で演奏するとリズムや拍子感が多少ブレていても気がつかないですが、連弾をすることで、先生の心地よいリズムに乗ってリズム感を養うことができます。
ピアノにある程度親しんだ人にとってもリズム感を養う課題としても、音楽遊びとしても、最適です。
このテキストに足りないところ
- 1つの音に1つの曲を弾いて進むので、覚えられない場合も考えられます。その都度別の課題や遊びで補う必要があります。
こんな方にオススメ
- かわいいイラストが好きな方
- これからピアノをはじめるお子さん
詳しい内容は?
ピアノ指導者の丸子あかねさんによって2012年に出版されました。
それぞれの巻には副題がついて、第1巻は「音の名前とリズム」、第2巻は「大譜表とリズム」とあります。
「はじめに」をヒントに紐解いていきます。
対象
はじめてピアノに向かう子ども
目的
ピアノを習いはじめて間もない子どもでも、譜読みの基礎を学習しながら、音楽の楽しさを体験すること
著者の思い
一生懸命「おんぷ」や「リズム」の学習している子どもたちに、“ごほうび”をあげたい。
音楽って楽しいんだ、と感じてもらいたい。
そんな思いがいっぱい詰まっているということです。
丸子あかね先生の導入教材シリーズ
このテキストは「丸子あかね先生の導入教材シリーズ」の1つです。
このシリーズは、子どもたちが「きちんと楽譜を読む力」を楽しく身につけるための教材です。
シリーズには3つの学習の要素があります。
- リズムの学習
「リズムのほん」全5巻
「リズムのほん」全5巻 - おんぷの学習
おんぷカード
大きなおんぷカード - けんばんの学習
「ちいさなおんがくかい①」
けんばんボード
この3つめの要素を担うテキストが、この今回紹介する「ちいさなおんがくかい①」です。
そして、この3つの要素を学んだ後、それぞれの繰り返し練習のドリルを挟み、
まとめとして「ちいさなおんがくかい②」に進みます。
「ちいさなおんがくかい①」音の名前とリズム
けんばん学習用のこちらのテキストの内容を見ていきます。
このテキストで学ぶこと
以下の3つのことを学びます。
- 音の名前(ドレミファソラシド)
- 鍵盤の位置
- 指番号
取り組み方
1つの音に対して次のように取り組みます。
- 1つの音の名前と鍵盤の場所を覚える。
- 「れんしゅう」というリズム譜をみて、覚えた1音をピアノで弾きます。
この時、左右、いろいろな指で弾き、できたらシールを貼ります。 - 先生の伴奏に合わせて曲を弾き、次の音へと進みます。
2つの音を覚えたら、その2つの音が出てくる曲を先生と弾きます。
2つの音の曲の時に音を表す方法は、ひらがなで「ど」「れ」とリズム譜の上に書いてあり、五線譜は登場しません。
この方法で、「ドレミファソラシド」の7つの音の鍵盤と名前を覚えます。
覚える順番
ドレミファソ〜と1つずつ順番び覚えるのではありません。
ドレミを覚える前に、黒鍵の並び方を「2つのおやま」「3つのおやま」と言って覚えます。
その黒鍵をもとに次のように覚えます。
- 「2つのおやま」の左右のはじから「ド」「ミ
- ドとミの間の「レ」
- 「3つのおやま」左右のはじから「ファ」「シ」
- ファのとなりの「ソ」
- シノとなりの「ラ」
「ちいさなおんがくかい②」大譜表とリズム
次に「楽譜を読む前に」という副題のある第2巻を見ていきます。
このテキストで学ぶこと
ここでは譜読みを学びます。
おんぷ、リズム、指番号を結びつけて読み、音を出すことを目的としています。
このテキストを使う前に学んでおいたほうがいいこと
先に述べた3つの学習の要素のまとめとなるのがこの2巻なので、それらを学んできたことが前提です。
1つめの要素である「リズムの学習」は以下↓に続く全5巻のテキストで学びます。
2つめの要素である「おんぷの学習」は以下↓のカードで学びます。
3つめの要素「けんばんの学習」は先ほど紹介した「ちいさなおんがくかい①」で学びます。
「ちいさなおんがくかい②」はこれらの要素のまとめになるので、3つを使って学んだことが前提です。
取り組み方
丸子あかね先生の「おんぷカード」では、大譜表の中の主な25個のおんぷを6つのグループに分類します。
まず「線」と「間」の2つに分け、
それぞれを、ヘ音記号・真ん中・ト音記号の3つに分けて、全部で6グループです。
そのグループごとに学びます。
使う楽譜は特徴的で、大きなリズム譜の下に「おんぷカード」の図があります。
その2つを見て演奏します。
進み方
1つのグループの学びは次の2つで構成されています。
- 「れんしゅう」2〜4曲
- 先生との連弾1曲
どの曲も次の手順で学びます。
- リズムを声を出して読み、手を叩きます。
- 次におんぷを呼んで鍵盤の位置を確認します。
- いろんな指で弾きます。弾けたらシールを貼ります。
- 指番号で弾きます。
全てのグループを学んだら最後に「そうごう」として「線」と「間」が混ざった曲を先生と4曲弾きます。
以上、それぞれの内容を詳しく見ていきました。
テキスト概要
- 「ちいさなおんがくかい」①②
- 編著:丸子あかね
- 作曲:轟千尋
- 絵:尾田瑞季
- 2012年出版
- 学研パブリッシング
- 併用テキスト:「リズムのほん」「みんなだいすき おんぷカード」
- レベル:導入
楽しいピアノライフを!
執筆者
ピアノ講師・ピアノ演奏家のピアノレッスンズ。
自宅教室で指導の傍ら演奏活動を行う。
「自分で奏る喜びをたくさんの人に」をテーマにwebサイト「ピアノ・レッスンズ」を運営。
中高教員免許(音楽)取得。
チャイルドカウンセラー取得。
“丸子あかね著「ちいさな おんがくかい」のポイントと中身を紹介!子どもピアノ教材#31” に対して2件のコメントがあります。
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