ヤマハ音楽振興会が編著者である「NEWなかよしピアノ1・2」
どういったテキストなのでしょうか。
今回はこちらのテキストを紐解いて、紹介して行きます!

「NEWなかよしピアノ1・2」
2009年に出版された「NEWなかよしピアノ」。
対象年齢は、4〜5歳幼児と書かれています。
ヤマハグレードに準拠
ヤマハ音楽振興会が編著者でもあることからわかるように、「ヤマハ音楽能力検定制度」ヤマハグレードを柱として組まれたカリキュラムのはじめの一歩のテキストです。
ヤマハグレードとは、13級から2級まであり、音楽を学ぶ人が客観的に自分の力量を知り、能力を伸ばすために設けられた指針です。
詳しくはこちらをご覧ください。
「NEWなかよしピアノ」2巻を終えるとヤマハグレード13級のレベルに対応しています。
テキストは3点
こちらのカリキュラムは3点で構成されています。
メインテキストが、今回ご紹介する「レパートリー」で、
そのほかに、ワークブックとCDがあります。
補助教材としては伴奏、アンサンブル用の音源データもあります。
目的は?
冒頭の「はじめに」を読むと、テキストの目指すところが書かれているので、一部抜粋します。
初めてピアノに触れる幼児期のお子様が音楽の楽しさを感じ、自分の気持ちをピアノを通して豊かに表現できる力を身につけられるように作成されています。
ピアノの演奏技術を習得させることはもちろんですが、きく・うたう・よむ・つくる力等、幅広い音楽の基礎力を養うことが将来の音楽的成長に欠かせないと考えます。
音楽の歓びを感じ、ピアノを演奏することが楽しく、音楽を生涯の友としていくことができる子どもたちが、一人でも多く育つように願っております。
対象は幼児期の子どもで、
「幅広い音楽の基礎」、「豊かな表現力」、「音楽の楽しさ・歓び」が鍵だということがわかります。
「NEWなかよしピアノ1」レパートリー
全22曲のうち、ひとりで弾く曲は最後の3曲で、連弾で先生や大人の方と一緒にアンサンブルしながら楽しむ内容になっています。
1〜10曲は右手のド〜ファ1つずつ増やしていき鍵盤の場所と音符を覚えます。
11〜15曲では、ト音記号のド〜ソ(図1)を使います。

楽譜を見て、「キラキラぼし」や「ちょうちょう」などの親しみやすい歌を、先生の伴奏に合わせて演奏します。
ト音記号の1段譜ですが、左手の指番号も書いてあるので、場合によっては、両手でユニゾン(同じ音)で演奏をすることができます。
16曲めから、大譜表となり、ヘ音記号のドレミファソ(図2)が登場します。

「NEWなかよしピアノ2」レパートリー
全25曲のうち19曲が先生との連弾です。
1〜5曲は1巻で覚えた音符(ト音記号とヘ音記号のドレミファソ)の楽譜で曲を弾きながら、左手のメロディや三拍子、タイ、フレーズなどを感じて演奏する課題です。
6曲めからヘ音記号の低いソラシド(図3)が、

8曲めからはト音記号のソラシドレ(図4)、

9曲めでは、ヘ音記号のソラシドレ(図5)、

15曲めでは、ト音記号の高いドレミファソ(図6)

17曲めでは、ト音記号の高いラが登場します。
次々と新しい音が出てきます。
事前に併用テキストのワークブックで音符を覚え、CD音源を聞いて曲を覚え、その後に曲を弾くという流れです。
2巻の17曲め、つまり、1巻から数えると39曲で、3オクターブの音符を覚え演奏できるようなカリキュラムになっています。
音符が出てくるスピードはかなりはやい印象です。
この2巻を終えると、同じくヤマハ教育振興会が出版している「NEW ピアノスタディ」の2巻に進むことができます。
そして、「ヤマハ音楽能力検定制度」ヤマハグレードの13級のレベルを習得したことになります。
以上、「NEWなかよしピアノ」1・2巻の内容を見てきました。
後編では、実際に演奏して感じたポイントを紹介していきます。


