
「バーナム」と言えばピアノテクニックの教則本で有名です。
今回ご紹介するのは「やさしいメソード バーナムピアノ教本」はブック1〜6の6巻からなるテキストです。
一体どのような教本なのでしょうか?
前編後編の2回に分けて、こちらのテキストを紐解いていきます。
前編の今回は、内容を詳しく紹介します。
おすすめポイントや、足りないと感じる部分は↓こちら↓の後編で紹介しているので興味がある方は見てみてください。
バーナムって何?
バーナムというのは、著者の名前です。ピアノの教則本では著者や作曲者の名前がそのまま教則本の名前として呼ばれることがよくあります。
「ブルグミュラー」「バイエル」「ハノン」などよく耳にするこれらも作曲者の名前です。
エドナ メイ バーナムは、アメリカのピアノ教育界に大きな功績を残した作曲家であり教育者です。
「バーナム」といえばこの「ピアノ教本」よりも「ピアノテクニック」の方が使った方は多いのではないでしょうか。ピアノの現場で最も使われているテキストとも言われています。
「ピアノテクニック」で有名なバーナムによる、初心者用教則本がこの「バーナムピアノ教本」です。
「ピアノテクニック」についてはこちら↓で詳しく解説しているので興味のある方は見てみてくださいね。
一番やさしい導入書とは?
アメリカで出版された時のタイトルは「step by step」。
その意味の通り「一歩ずつ」ゆっくり進んでいきます。
訳者の中村菊子さんが巻頭の「訳者のことば」で「市場で求めることができる一番やさしい導入書」(1999、「やさしいメソード バーナムピアノ教本1」)と述べています。
進み方が一歩一歩ゆっくりであること、難しいと思われる「短調」「変拍子」「不協和音」が扱われないことなどがその理由です。
「ピアノテクニック」との関係
1959年にアメリカで出版され、日本での初版は1999年です。
先に紹介した「バーナムピアノテクニック」を出版したのち「バーナムピアノ教本」を出版しています。
そのため「ピアノテクニック」ですでに取り扱っている部分は、「ピアノ教本」では重複しないようにあえて詳しく説明していないような印象を受けます。
たとえば、各調の音階や和音は取り扱いがありません。
調は、#♭の数を確認し、その調で作られた曲を弾くことで学びます。
音階や和音は「ピアノテクニック」で学ぶことができます。
2つを併用して使うとより効果的です。
次にそれぞれの巻で学ぶ内容を紹介していきます。
各巻の内容
ブック1
ここでははじめから大譜表を使って、真ん中のドから1つずつ音符を増やして弾いていきます。
リズムでは四分音符が中心で、八分音符はまだ登場しません。
後半から両手で同時に音を弾くことが増えていきます。
主に次のことを学びます。
ブック2
ここでは音を少しずつ増やしながら、八分音符や臨時記号を覚えます。
音符はブック1で覚えたソ〜ソに加えて、新しく7つの音を覚えます。
新しい音は、まず目印となるドの音を覚え、これまで覚えた音と目印の間の音を埋めるように覚えていきます。

そして、他には主に次のことを学びます。
ブック3
ここでは、音符の範囲を順番にさらに広げていきます。
さらにブック2で弾いた調に加えて#2つのニ長調で曲を弾きます。

その他、ここで学ぶものは以下の通りです。
ブック4
ここでは、さらに音符の範囲を広げます。
ブック2でやったように、目印となる高いドと低いドを先に覚えます。
そして新たに♭2つの調、変ロ長調を弾きます。

その他、次のことを学びます。
ブック5
ここではさらに、加線の音を覚えさらに範囲を広げます。新しい音符はここで全て覚えます。
調号3つの調(イ長調、変ホ長調)も弾きます。
ダンパーペダルも使い始めます。
ここで特徴的なのは、左手だけの曲、右手だけの曲を弾くことです。
大譜表になっていますが、片手だけで弾く曲が登場します。
その他、ここで学ぶのは以下のことです。
ブック6
最終巻となるブック6では、これまでに覚えた音符でさらに表現の幅を広げていきます。
調号が6つの長調までを弾きます。
装飾音や、半音階のパッセージ、トリル、ターン、などを学びます。
以上ブック1〜6の内容を紹介してきました。
後編↓では、実際に全ての曲を演奏して感じたポイントを紹介していきます!



“一番やさしい!?「バーナムピアノ教本」内容紹介【前編】子ども導入教本#23” に対して1件のコメントがあります。
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