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今回は永瀬まゆみ著「ドレミファソで始める かんたん!すごい!さきどり!ピアノテクニックの本」を紐解いていきます。

ピアノ・テクニックの本

ポイント1:楽譜が読めなくてもいい!

テキストの中に楽譜が一つも出てきません。

ピアノを習い始めると、楽譜を読むことと、ピアノの楽器を鳴らすことを並行して身につけていくことが主流です。

そうすると、音符を読める範囲のことしか弾かないという状況になります。

ですがこのテキストではカタカナの音名「ドレミ」と指番号で弾くことができます。

そうして、読める範囲の音符以外の音も使ってテクニックを身につけていきます。

ポイント2:曲を演奏する前に要素をさきどりする

テキストのタイトルにも「さきどり」とあるように、曲を弾くときに出てくる要素を、抜き出してさきどりして練習します。

その要素とは、音の構成(パターン)と、体の動かし方の違いによる音色作りです。

この二つの先取りで、実際に曲を弾くときに、音型のパターンがわかることで新しい曲を譜読みするとき、演奏するときの両方のハードルが下がります。

音色作りをさきどりすることで、曲のはじめから豊かな表現で演奏することができるようになります。

ポイント3:親しみやすいイラスト

曲が出てこないので単調になりそうな内容ですが、かわいらしいイラストとわかりやすい図によって、

小さなお子さまも親しみを持って取り組むことができます。

ポイント4:どんな段階、テキストでも併用できる

基礎となる大切な要素が簡潔にまとまっているので、さまざまな状況で一緒に使うことができます。

はじめたばかりの方も、ある程度曲が弾けるようになった方にも効果的な内容です。

またピアノ導入テキストにはいろんな種類がありますが、どんなものでも併用ができます。

大きなカリキュラムに組み込まれているわけではないので、今行っているレッスンに合わせて気軽に取り入れることができます。

このテキストに足りないところ

テキストとして足りないところは特にありません。
ただ、曲が出てこないこともあり、生徒が興味を持って積極的に取り組めるような工夫が必要になることが考えられます。

また、テクニックというと「ハノン」のような指をたくさん動かしてより強く素早く動かせるように鍛える練習曲を思い浮かべる方がいるかもしれませんが、そう言った内容とは違います。

スラーやスタッカートの腕、手首、指の動かし方を丁寧に学ぶことや、曲中によく使われる伴奏型に慣れることが中心でうす。

こんな方にオススメ

導入から表情豊かな音色で演奏することを目指すピアノの先生

効率的にテクニックを身につけてもらいたいと考えるピアノの先生

普段のレッスン曲に加えて、伴奏形や体の使い方の指導を取り入れたいピアノの先生

音色を豊かにしたい、体の使い方による音色の違いを学びたい初級から中級程度のピアノ独学者

詳しい内容は?

著者の永瀬まゆみさんは、ピアノ指導者として活躍し、多くのコンクールで高い実績をあげた方です。

まずは巻頭の「はじめに」に書かれた言葉を手掛かりに見ていきます。

対象

  • 導入期の幼児や小学校低学年
  • テクニックの整理のためにどなたでも使用可
  • どの教則本とも併用可能
  • きわめて早い時期から使用できる
  • ドレミファソの鍵盤の位置を覚えた時点で始めることができる

内容には楽譜が出てこないので、音符やリズムをわかる前から使うことができます。

目的

  • 簡単なことをより高度なものへと応用、発展させていく
  • 簡単なものでどんどん指を動かしていくことで、指が未分化な状態から分化を促進し、指を育てる
  • 必要最低限のことを繰り返し行い定着させ、曲の中ではそれらを応用するだけで高い演奏に持っていく

「効率的でより効果的」なレッスンを可能にするといいます。

内容

大きく分けて4つの部分から構成されています。

  1. 準備
  2. ばんそうバージョン
  3. きほんバージョン
  4. スケール・カデンツ・アルペジオ

次にそれぞれを詳しく見てみます。

準備

ここでは、テクニックの課題に入る前の準備をします。

おもな内容は次の通りです。

  • 弾くときの姿勢・手の形
  • 鍵盤のドレミファソの位置
  • 指番号
  • 指の体操

指の体操では、次に出てくるテクニック課題の基本となる3つの動きを練習します。

3つの動きとは次の音型が元になったものです。

  • ドレミファソ
  • ドミソ
  • Ⅰ・Ⅴ7の和音

そして、この基本の3つの動きを、ト長調(ソラシドレ)とへ長調(ファソラシ♭ド)でも弾きます。

ばんそうバージョン

ここでは4拍子と3拍子の伴奏形を弾けるようになります。

右手は「ドレミファソファミレ」だけを弾きます。

それに合わせて左手はⅠ・Ⅴ7の和音の伴奏形を次のとおりに弾きます。

  • 4拍子では5種類
  • 3拍子では2種類

これらになれたら、ト長調(ソラシドレ)とへ長調(ファソラシ♭ド)でも弾きます。

きほんバージョン

ここでは「ドレミファソ」だけを弾き、指・手首・腕が使い分けられるようになります。

次の9つの項目を弾きます。

  1. 指の独立・リズム練習(お指の体操1・2)
    • 4種類のリズム練習
  2. 二音のスラーと応用
    • 手首を使う弾き方と、指だけを使う弾き方
  3. うでの重みの使い方
  4. 手首の回転
    • なめらかに弾く練習
  5. 落とすスタッカート、はね上げるスタッカート
    • 肩・肘・手首・指の付け根を動かす練習をしてから、弾く
  6. ノンレガート
    • 腕と使う方法と、指を使う方法
  7. バランス
    • 左右の手の強さを変えて弾く
  8. 強弱をつける
    • ピアニシモからフォルテシモまでを段階的に強さをかえる練習
  9. 応用練習
    • これまでやったことを組み合わせる

スケール・カデンツ・アルペジオ

ここでは、カタカナの「ドレミ」とその上に書かれた指番号を見て次の練習をします。

  • 1オクターブの音階(スケール)
  • Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅴ7-Ⅰのカデンツァを基本形・第一、第二転回形で
  • Ⅰの和音のアルペジオ

これらをハ長調イ短調で弾きます。

以上、内容を詳しく見てきました。

テキスト概要

  • 「ドレミファソで始める かんたん!すごい!さきどり!ピアノテクニックの本」
  • 著者:永瀬まゆみ
  • 2008年出版
  • ヤマハミュージックメディア出版
  • 指導者用ガイドがあります。

楽しいピアノライフを!

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