ここでは「楽譜の知識をしっかりつけよう ピアノひけるよ!楽典ワーク」を紐解いていきます。
いったいどのようなテキストなのでしょうか?
おすすめポイントと詳しい内容を見てみます。
こちらのテキストは橋本晃一編著の「ピアノひけるよ!」シリーズの楽典ワークです。
「ピアノひけるよ!」シリーズは、導入期から初級までのピアノ教本です。
バイエル程度の段階で童謡や有名な曲で楽しく学んでいくシリーズです。
この教本についてはこちら↓で紹介しています。
ポイント1:コードについて学べる
著者の橋本晃一さんは、ポピュラー音楽のエッセンスをピアノ教育に生かすべく多くのテキストを出版されています。
そのため楽典のテキストとしては珍しく、このテキストではポピュラー音楽につながるようなコードが取り扱われています。
全てのコードは出てきませんが、主要なコードの構成を学ぶことができるので入門としては最適です。
特にコードについて学びたいという方は、「パート3音程」から学ぶとスムーズです。
ポイント2:リズム譜が出てくる
「パート1基礎知識」の中で「リズムとリズム譜」という項目があります。
リズムをわかりやすく表記する方法を学びますが、こちらも楽典のテキストとしては珍しいものです。
1小節の中が拍通りになるように音符を埋めたり、小節線を書く問題は良くありますが、ここでは拍がわかりやすいように音符を繋げたり、逆に分けて書く方法を学びます。
ここでもポピュラー音楽を演奏することを見据えてリズムを重視している姿勢を感じます。
ポイント3:解説と問題のバランスが良い!
各項目の解説の後には確認問題があり、覚えたことを定着させることができます。
子ども向けの楽典はワーク形式の問題で構成されているものが多い中、こちらのテキストは解説も問題もどちらも一冊にバランス良く収まっています。
このテキストに足りないもの
バランス良く取り扱われていますが、以下のものは掲載されていません。
- 導音
- 和音の機能
- 減七の和音
- ハ音記号や総譜など(ピアノの楽譜に出てこないもの)
- 混合拍子(5拍子や7拍子など)
- 弱起
- 長短以外の音階、旋法
そのほかこのテキストに索引はありません。
こんな人にオススメ
- ピアノを弾く上で必要な知識を学びたい人
- コードについてしっかり学びたい人
- ピアノでポップスを弾きたいと考えている基礎知識をしっかり身につけたい人
- 問題を解くことで確認しながら学びたい人
対象
小学校高学年としています。
漢字には全てフリガナがあり、お子さんでも抵抗なく読めるようになっています。
「ピアノひけるよ!」シニア1〜3巻(バイエル後半程度)と並行して活用できるようになっています。
内容
5つのパートに分かれており、各パートでは項目ごとに解説と確認問題がセットになっています。
次に各パートの内容を詳しく見ていきます。
パート1 基礎知識
ここで学ぶのは以下の内容です。
- 楽譜の各名称や、音符の読み方
- 音名をイタリア語、ドイツ語、英語、日本語で
- 全音から16分音符までと、付点・複付点音符(休符も同様)
- 拍子記号(4/4、3/4、2/4、2/2、6/8拍子)
- リズム譜とその書き方
- 強拍、弱拍、シンコペーション
- 3連符、2連符、4連符、5、6、7、9・・・連符
- 臨時記号(#、♭、ダブルシャープ、ダブルフラット、ナチュラル)
パート2 用語・記号
ここでは以下の内容を学びます。
- テンポについて・・・数字で表すものとイタリア語によるもの
- 強弱記号・・・pppからfffまで
- テンポと強弱の変化いに関する記号とイタリア語
- 曲想についての用語(アルファベット順にまとめられている)
- 奏法について・・・グリッサンド、レガート、ペダル、装飾音の記号など
- 反復記号・・・D.C.やD.S.、音型の繰り返し記号
パート3 音程
ここでは以下の内容を学びます。
- 全音と半音
- 長短・完全音程
- 増・減音程
- 単音程、複音程、音程の転回
パート4 音階
ここでは以下の内容を学びます。
- 長音階と3つの短音階(#♭ともに7つまで、全調)
- 近親調
- 主音、属音、下属音
- 移調、転調
パート5 コード・ネーム
ここでは以下の内容を学びます。
- トライアド(メジャーコード、マイナーコード)
- セブンスコード(メジャー・セブンス、マイナー・セブンス、ドミナント・セブンス)
- 転回形
- 1オクターブ上の全ての鍵盤を根音としたコードネームの一覧表(上記の5つのコード)
以上内容を詳しく見てきました。
テキスト概要
- 「楽譜の知識をしっかりつけよう ピアノひけるよ!楽典ワーク」
- 橋本晃一 編著
- 2006年出版
- ドレミ音楽出版
- ピアノ教本「ピアノひけるよ!」シリーズの後半「ピアノひけるよ!シニア」併用の楽典ワークです。
楽しいピアノライフを!
執筆者
ピアノ講師・ピアノ演奏家のピアノレッスンズ。
自宅教室で指導の傍ら演奏活動を行う。
「自分で奏る喜びをたくさんの人に」をテーマにwebサイト「ピアノ・レッスンズ」を運営。
中高教員免許(音楽)取得。
チャイルドカウンセラー取得。
“「ピアノひけるよ!楽典ワーク」橋本晃一著おすすめポイントと内容紹介!” に対して2件のコメントがあります。
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