今回は音符を読むことが苦手な方のためのワークをご紹介します。
池田奈々子さん編による「書いて覚える徹底‼︎譜読」です。
1日3枚、2週間で「譜読」の速度が確実にアップすることを目的としています。
こちらの内容とおすすめポイントをご紹介します。
「音楽の基礎学習プリント 書いて覚える徹底‼︎譜読」
編著者の池田奈々子さんはプロフィールによると、ピアノ指導者であり、演奏、作曲、編曲でご活躍されている方です。
「書いて覚える徹底‼︎」シリーズをたくさん出版されています。
「譜読」の他にも、「楽典」「音楽記号」「単語練習」「聴音」と、ピアノを学んでいる時に覚える必要があることを書いて学ぶという形で出版されています。
その中で、音符の高さを読むことに特化しているのがこのテキストです。
このテキストの目的・対象となる人・勉強方法は?
巻頭のことばを見てみます。
1日3枚、2週間続けて徹底練習!!
譜読の力を伸ばそう
この問題集では、音符を見て即座に音名を書くことを、1日3枚を2週間徹底的に繰り返すことによって、譜読のスピードと確実性を、習うより慣れる感覚で身につけていきます。まずドレミを覚えて、そこから音域を少しずつ広げていくように作られており、前半ト音記号→後半ヘ音記号のいう流れになっています。簡単な作業を集中的に繰り返すことによって、音符が確実に早く読めるようになります。ピアノ教室のレッスンはもちろん、ご家庭での学習でもぜひお使いください。またピアノは上手に弾けるけど譜読が苦手、という方にも最適です。
池田奈々子(2004年)「音楽の基礎学習プリント 書いて覚える徹底‼︎譜読」株式会社ドレミ出版社
つまりこちらの本の目的は
- 譜読のスピードと確実性を身につけていくこと
ということです。
対象となる場面や人は、
- ピアノレッスン
- 自宅での学習
- ピアノは上手に弾けるけど譜読が苦手な方
また表紙には、
- 幼稚園から小学生全学年まで対応
とあります。
ドレミの文字を書くことができてれば、どの年齢でも使えます。
もちろん大人の方にも対応しています。
そしてその方法は、
- 1日3枚を2週間徹底的に繰り返す
- 音符を見て即座に音名を書く
- 習うより慣れる!
- まずドレミを覚えて、そこから音域を少しずつ広げていく
- ト音記号からヘ音記号
- 簡単な作業を集中的に繰り返す
とのことです。
続いて、練習のポイントとして、1枚にかける時間の目標が書かれています。
- 幼稚園児・・・1分以内
- 小学校低学年・・・45秒以内
- 小学校中学年・・・30秒以内
- 小学校高学年・・・15秒以内
目安の時間があると集中して問題を解くことができそうですね。
1ページに30個の音符が書いてあるので、小学校高学年以上では、1秒に2つの音符を読み書いていくことが目標です。
その内容は?
内容はとてもシンプルです。
全てのページに「よみかたをかきましょう」と冒頭に書いてあります。
1段に6つの音符が書かれていて、それが6段あります。
つまり30個の音符。
その音符のよみかたをひたすら書きます。
1日3ページができるように、ページの左上に「1日目」などの日にちが書いてあります。
音符の範囲は、
ト音記号とヘ音記号ともに、加線2本までの音符です。
まとめると以下のようになります。
- ト音記号
- 1日目・・・ド〜ミ(C4〜E4)
- 2日目・・・ド〜ラ(C4〜A4)
- 3日目・・・ド〜高いド(C4〜C5)
- 4日目・・・高いド〜ソ(C5〜G5)
- 5日目・・・高いド〜シ(C5〜B5)
- 6日目・・・低いラ〜高いド(A3〜C6)
- 7日目・・・低いラ〜高いド(A3〜C6)
- ヘ音記号
- 8日目・・・ド〜ミ(C3〜E3)
- 9日目・・・ド〜シ(C3〜B3)
- 10日目・・・ド〜高いミ(C3〜E4)
- 11日目・・・低いファ〜高いファ(F2〜F4)
- 12日目・・・低いド〜ド(C2〜C3)
- 13日目・・・低いド〜高いド(C2〜C4)
- 14日目・・・低いド〜高いファ(C2〜F4)
それでは、こちらのテキストのポイントを紹介いたします!
ポイント1:ひたすらたくさん音符を読むことに集中できる!!
ピアノの学習と並行して使うワークはたくさん出ています。
覚えることがたくさんあるので、内容は多岐に渡ります。
そんな中で、音符を読むことだけに注目しているものはそんなに多くありません。
音楽の言葉(楽語)や、リズムや拍子の解説が一緒になっているワークが多いのですが、こちらは音符を読むことに集中しています。
このテキストの指示通り1日に3枚をこなしていくと、
1日に読む音符の数は、90個になります。
初級のレベルのピアノの曲を弾いているときには一曲に90個も音が出てくることはありません。
例えば、よく使用される「オルガンピアノ」第1巻の「トロイカ」という曲で使われている音符は37個、第2巻「ヘンゼルとグレーテル」では39個でした。
しかも同じ範囲の音符が多く、同じ曲を練習していると指や音で覚えはじめて音符を読んでいないということになり兼ねません。
そういうことをこのテキストで補うことができます。
ポイント2:シンプルで目標がわかりやすい
音符を速く読めるようなるという目標がはっきりしているので、使用しやすいです。
見た目にもとてもシンプル。
問題を解くというときにシンプルでわかりやすいデザインであることはモチベーションに影響します。
また、目標の回答時間が設定されていることも、モチベーションに繋がります。
集中して、取り組めるように工夫されています。
このテキストに足りたいところ
- 音符の読み方のコツや、覚え方などの解説はない。
- 文字を書くことが難しい年齢には使えない。
こんな人におすすめ!
- とにかく音符をたくさん読んで覚えたい人
- 計算ドリルなどが好きな人
- 文字を書くのが速い人
こんな教本と一緒に使うことがおすすめ!
ピアノをはじめたばかりの導入時期には使いづらいかもしれませんが、ある程度音符のルールを理解した初級者以降の方ならば、
どんなテキストとも並行して使うことができます。
概要
- 音楽の基礎学習プリント 書いて覚える徹底!!譜読
- 2004年出版
- 著者:池田奈々子
- レベル:初級レベル
楽しいピアノライフを!
執筆者
ピアノ講師・ピアノ演奏家のピアノレッスンズ。
自宅教室で指導の傍ら演奏活動を行う。
「自分で奏る喜びをたくさんの人に」をテーマにwebサイト「ピアノ・レッスンズ」を運営。
中高教員免許(音楽)取得。
チャイルドカウンセラー取得。