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耳コピで好きな曲が弾けるようになったらいいなぁ、と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。

ピアノのレッスンに通ったことがないという著者が、独学で耳コピアレンジができるようになるまでの道のりをこちらのテキストで教えてくれます。

耳コピやポップスのピアノアレンジに興味がある方には役に立つ情報が満載です。

ずっしーのピアノ教室

著者:ずっしー

著者のずっしーさんはピアノの耳コピ術やアレンジ動画、独自の音楽理論の解説動画をSNSで発信していらっしゃいます。

音楽理論の話をとっつきやすくキャッチーに解説し、youtube登録者は15万人、Twitterフォロワーは5万人を超えています。

ずっしーの音楽教室」を運営されていて、耳コピやアレンジの様々な情報がまとめられています。

そちらでは詳細の音楽歴を見ることができます。

それによると、ピアノを始めたのは18歳で、レッスンなどに通ったことはなく独学で習得したとのことです。

挫折や転機を繰り返しながら、動画サイトに投稿されるピアノ演奏動画に刺激を受けて、研究を続けてきたそうです。

テキストの目的

副題でもあるように、音楽経験ゼロから耳コピアレンジを習得するまでの道のりを1冊にまとめたものです。

耳コピアレンジをするために、「こうすればこういうことができる」という道案内として読むことができます。

ピアノのテキストは多くは、たくさん弾くことであるテクニックを習得することを目的にして楽譜が掲載されているものがほとんどです。

ですが、「ずっしーのピアノ教室」は図や言葉を使って、「耳コピアレンジ」に必要な技術について、それがどのようなものなのか、なぜ必要なのか、ということを説明してくれます。

「ひたすら弾く」のではなく、理解して弾くことが必要で、ピアノの前に座っていない時にもできることがたくさんあります。

耳コピやアレンジを習得する道筋を、1冊で説明しているものはほぼ見かけることがなく、そういった意味でもピアノテキストの中でもユニークなものです。

この一冊で耳コピができるようになるというよりも、必要なトレーニングを他のテキストを使って補いながら習得していくとより確実です。

巻末の「おわりに」に著者の耳コピアレンジへの想いが書かれていますので引用します。

誰もが会話をするように自然に音楽を演奏したり、自分の表現したい音楽を感情の赴くままに即興で作れたり。そんな自由な音楽であふれた世界を作ることが、僕が耳コピアレンジスタイルをはじめた頃からの夢であり、今でもそのために活動を続けているわけなのです。

対象となる人

耳コピでピアノを弾けるようになりたいと思っている様々なレベルの方に役に立つ内容です。

最もこのテキストを効果的に活用できるのはクラシックピアノを習っていた人です。

ピアノを習っていた経験があってこれまでクラシックの曲を弾いてきたけれど、耳コピアレンジやポップスの演奏に興味があるという方にぴったりです。

楽譜を読んでピアノを弾くことを当たり前としてきた人が、耳コピアレンジをする時に何をすればいいのかという視点で読むとスムーズに読むことができます。

書かれている楽譜や用語も、少し経験があると理解しやすいと思います。

「ゼロから」という言葉がタイトルにありますが、全くピアノ経験がない方のみを対象としているものではありません。

全くピアノを弾いたことがないという方にとっては、著者が18歳からピアノを独学で始めたということに勇気付けられる内容です。

「ピアノは子どもの頃からやっていなければ無理」という思い込みを捨てて励まされます。

楽譜の例や専門用語も出てくるので内容を1度で全て理解することは難しいかもしれませんが、どんなことをすれば耳コピをすることができるのかという道筋を見ることこができます。

このテキストを道案内ににして、寄り道をしながら行きつ戻りつしながら進むといいと思います。

内容

耳コピアレンジまでの全体像は次のようになります。

  • 音感を鍛える
  • コードの仕組みを知る
  • ピアノ奏法を知る

QRコードを読み込むと、各項目に対応した演奏がすぐに聴くことができるようになって参考になります。

各章でそれぞれのトレーニングについて書かれています。

第1章 ゼロから耳コピアレンジができるようになるまで

まずは著者の経験から、挫折しないためには「学ぶ順序」が大切だとしてます。

音感がない状態で理論書を読んでも感覚的に理解できないので、「才能がない」と誤解して諦めてしまいがちです。

耳コピアレンジの正しい順序は一にも二にも「音感を養うことから始める」とのことです。

著者曰く「音感はすべての音楽スキルの土台」となります。

第2章 音感を習得する方法

音感をトレーニングするためには、調の知識が必須といいはじめに調の解説があります。

調を知ることによって、「絶対音感」ではなく「相対音感」(他の音との相対的な関係)を身につける手掛かりになります。

そして音感には3つの重要な音感があるといいます。

「メロディを判別する」「コードを判別する」「コード進行を判別する」

そしてそれぞれの解説とトレーニング方法を紹介しています。

第3章 コードの仕組みを知ろう

音感が重要であることに加えて、必要な知識を補うことで聴き取る力に雲泥の差が生まれると言います。

ここでは、解説を読むにあたって「調」に関する知識がある程度必要です。主に「セカンダリードミナント」と「サブドミナントマイナーコード」の解説です。

続いてJ-popでよく使われるコード進行、J-pop以外でよく使われるコード進行がそれぞれ紹介されています。

第4章 ピアノ奏法を学ぼう

これまでは音楽の3要素「メロディ」「コード」「リズム」のうち「メロディ」と「コード」に注目してきましたが、ここでは「リズム」に注目します。

合わせて、ピアノでアレンジすることのポイントを解説します。

拍子、ビートについての解説、左右の手のの役割、ピアノの音域を考えた和音の配置などの知識を得ることができます。

続いて、ポップスによく使われるピアノ奏法の譜例と練習方法が書かれています。

第3章まではクラシックピアノを中心に学んできた場合でも何となく聞いたことがあるなぁという内容だと思いますが、第4章はクラシックピアノを演奏していると出会うことのない内容です。

テキスト概要

タイトル「ずっしーのピアノ教室」
著者ずっしー
出版年2020年
出版社株式会社KADOKAWA
ページ数159ページ

参考になるテキスト

「ずっしーのピアノ教室」を読み進めていて自分に足りたいと感じ強化したいと思った部分は他のテキストでトレーニングすることをおすすめします。

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