今回は、ギロック&グレンダの「魔法のピアノ 7つの白い鍵盤から」を紐解いていきます。
どのようなテキストなのでしょうか?
前半では内容を詳しく見てみます。
↓こちらの後編ではポイントを紹介していますので合わせてご覧ください!

- 1. ギロック&グレンダ「魔法のピアノ 7つの白い鍵盤から」
- 2. 5つの特徴
- 3. 目的
- 4. 対象
- 5. 構成
- 5.1. Cのページ
- 5.1.1. ブルー・ブギ/Cdur
- 5.1.2. くちごたえ/Cdur
- 5.1.3. 激しい雷雨/Cmoll
- 5.2. Gのページ
- 5.2.1. すてきなスキーヤー/Gdur
- 5.2.2. おだやかなセイリング/Gdur
- 5.2.3. 奇妙な客/Gmoll
- 5.3. Dのページ
- 5.3.1. フィギュア・スケート/Ddur
- 5.3.2. 空高く飛ぼう/Ddur
- 5.3.3. 行列/d moll
- 5.4. Aのページ
- 5.4.1. パリの想い出/Adur
- 5.4.2. おひさまデー/A dur
- 5.4.3. 秋の朝/a moll
- 5.5. Eのページ
- 5.5.1. 海辺の太陽/Edur
- 5.5.2. セイウチのひげ/Edur
- 5.5.3. かげふみ/e moll
- 5.6. Bのページ
- 5.6.1. 子守歌/Bdur
- 5.6.2. 流れる雲/b moll
- 5.6.3. 日曜日のお散歩/Bdur
- 5.7. Fのページ
- 5.7.1. へ長調のレントラー/Fdur
- 5.7.2. タッグチーム/Fdur
- 5.7.3. 真夜中の追跡/f moll
ギロック&グレンダ「魔法のピアノ 7つの白い鍵盤から」
こちらのテキストは、アメリカでもとは別々に出版された2冊のテキストからできています。
元となっているテキスト
- ギロック著「7pieces In 7Keys」(訳:7つの調の7つの曲)
- グレンダ・オースティン著「Splattered With Fun!」(訳:おもしろく弾けよう!)
ギロックはアメリカ生まれのピアノ講師で作曲家です。多くのピアノ曲とテキストを出版しました。
グレンダ・オースティンはギロックの弟子であり、作曲家兼ピアニストです。
訳者と解説は、 他の多くのギロックのテキストと同じく安田裕子さんです。
5つの特徴
巻頭の解説によると、このテキストの特徴は5つあります。
特徴
- 実際弾くより難しく聞こえる
- 音階や和音を感性豊かな音楽で練習できる
- 発見から始まる音階で5度の循環が簡単にわかる
- 標題音楽で豊かなイメージを育てる
- バラエティに富んだ音楽スタイルと出会える。
目的
このテキストはギロックの次のような教育理念から生まれたと言います。
音階の練習も楽しく、音楽の中で音階がどのような形で使われているのか音楽的に体験し、理解しなければならない
ギロック&グレンダ「魔法のピアノ 7つの白い鍵盤から」はじめに
つまり、このテキストの目的は次の2つの側面があります。
目的
- 音階を音楽の中で楽しく練習する。
- 音楽の中で音階がどのように使われているか体験し、理解する。
対象
音符を読むことを覚えた初級レベルの方が対象です。
導入のテキストを1、2冊終えて、5線の中の音符は読めて両手奏をできるぐらいが最適です。
バイエル中級から後半レベルです。
子どものレッスンでも、大人の方でも使うことができます。
構成
「ドレミファソラシ」の7つのそれぞれを主音にした曲が順番に収録されています。
各主音に対して長調2曲、短調1曲です。
内訳はギロック作曲の長調1曲と、グレンダ・オースティン作曲の長調1曲、短調1曲です。
曲の順番は、ドレミ・・・ではなく「ド→ソ→レ→ラ→ミ→シ」と#がつく順番に5度ずつ主音が上がっていきます。
テキストが進むにつれて長調は1つずつ#が増えていく形です。
短調はフラット3つから1つずつ減っていき、#2つまでに増えます。
最後に5度圏を反対に進み「ファ」の調を弾きます。フラット1つの調を弾いて終了です。
ギロックとグレンダ・オースティンの2人がイラストで描かれ、漫画のように曲の解説を挟みながら進んでいきます。
次に各曲を紹介します。
Cのページ
ブルー・ブギ/Cdur
ギロック作曲
フラットやナチュラルを使った、ジャズのブルー・ノート・サウンドが使われています。
くちごたえ/Cdur
グレンダ・オースティン作曲
左右の手が会話をするような2声の曲です。
激しい雷雨/Cmoll
グレンダ・オースティン作曲
ポジション移動は1回のみで、ほとんどが基本の5指のポジションで弾くことができます。
Gのページ
すてきなスキーヤー/Gdur
ギロック作曲
メロディがGdurの音階からできています。
おだやかなセイリング/Gdur
グレンダ・オースティン作曲
メロディがGdurの音階と、主要な和音のアルペジオでできています。
奇妙な客/Gmoll
グレンダ・オースティン作曲
Gdurの和音とテトラコードで構成されています。
Dのページ
フィギュア・スケート/Ddur
ギロック作曲
音階が行ったり来たりターンをしていて、氷の上を滑っているような表現がされています。
空高く飛ぼう/Ddur
グレンダ・オースティン作曲
Ⅰ、Ⅳ、Ⅴのアルペジオでできています。
行列/d moll
グレンダ・オースティン作曲
Aのページ
パリの想い出/Adur
おひさまデー/A dur
秋の朝/a moll
Eのページ
海辺の太陽/Edur
ギロック作曲
中間部は5度上に転調しています。
Edurの音階でメロディが始まります。
セイウチのひげ/Edur
グレンダ・オースティン作曲
右手でⅠ・Ⅳ・Ⅴの和音を弾きます。
かげふみ/e moll
グレンダ・オースティン作曲
Bのページ
子守歌/Bdur
ギロック作曲
名曲を弾けない初心者のために「ジーザス・バンビーノ」(クリスマスソングで有名)を真似てギロックが書いた曲です。
流れる雲/b moll
グレンダ・オースティン作曲
小さな手でも弾きやすい範囲のアルペジオで弾きやすい曲です。
ページの譜めくりの都合で、先に短調の曲が置かれています。
日曜日のお散歩/Bdur
グレンダ・オースティン作曲
弾んだリズムが繰り返されて楽しい曲です。
Fのページ
5度圏の説明がされます。
へ長調のレントラー/Fdur
ギロック作曲
レントラーは南ドイツの三拍子の穏やかな舞曲で、ワルツの元になったものと言われています。
音階がたくさん使われています。
タッグチーム/Fdur
グレンダ・オースティン作曲
5本の指で弾ける音階が繰り返されます。
真夜中の追跡/f moll
グレンダ・オースティン作曲
半音階を使って「進んでいく」雰囲気が表現されています。
以上、「魔法のピアノ 7つの白い鍵盤から」の内容を詳しく紹介しました!
後編ではポイントを紹介していきますので合わせてご覧ください。
楽しいピアノライフを!



“<表情豊かな曲で音階練習>ギロック&グレンダ「魔法のピアノ 7つの白い鍵盤から」【前編】” に対して2件のコメントがあります。
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