導入教本紹介「リラフレッチャー ピアノコース1〜6」【子ども向け編#4】

リラフレッチャーピアノコースは全6巻からなるピアノ初心者のためのテキストです。

カナダ出身のピアニストで音楽教育者のリラ・フレッチャー(Leila Fletcher 1899~1988)による世界でもっとも売れているピアノシリーズの1つです。

アメリカで出版されたのは1950年。

日本語訳は1985年に出版されました。

レトロでシックなイラストと、丁寧な解説で、大人の独学にもちょうどいいと思います。

日本では子どもを対象としたもののみ出版されていますが、英語版は大人向けのものもあるようです。

ホームページには紹介があります。

リラフレッチャーピアノコース1〜6

「はじめに」では、4つの目標が書かれています。

  • 譜面をらくに読める能力と、曲を音楽的に解釈する能力を身につけること。
  • 音に対する感覚をみがき、総合的なピアノテクニックを身につけること。
  • 創造力豊かな音楽の才能を育てること。
  • 末長く音楽を楽しむ心を造ること。

ただ音符を読んで弾けるようになることだけを目指していないことがわかります。

曲の構成や、ルール、演奏方法にも詳細に触れられ、それらを楽しい曲で身につけていきます。

こちらのテキストのポイントを3つ紹介していきます!

ポイント1:わかりやすい進みかた

ピアノテキストの中には、音符の読み方を重視するあまり、パッと見ると何をやるのかわからないような図から入るものもあります。それはそれでとても意味があるものですが、テキスト上がごちゃごちゃしてわかりづらくなってしまいます。先生についてレッスンを受ける場合にはこういったテキストも効果的ですが、独学で学ぶなら、わかりやすい進み方が重要です。

「リラフレッチャー」はピアノの真ん中のドの音から、1つずつ音符を増やしていきます。

それに応じて使う指も1つずつ増えていきます。

とてもわかりやすい進み方です。

どの音符でどの鍵盤を弾くのか、図によって示されるので、こちらもわかりやすいです。

第1巻はゆっくり進みと、第2巻は進度がはやくなります。

ピアノの先生の中には、同じように真ん中の「ド」から進む他のテキストと一緒に使う方もいます。

ポイント2:曲が楽しい!

曲の構成は、昔から伝わるよく親しまれているメロディが中心です。

出典の所には、「イギリスのうた」「フランスのうた」「アメリカのうた」「ウクライナのうた」「ドイツのうた」「古いうた」などとあります。

各国のフォークソングが演奏できるのも嬉しいです。

タイトルは聞いたことがないものでも、演奏してみると、どこかで聞いたことのあるメロディである場合も多いです。

長く親しまれているだけあって、楽しい曲ばかりです。

少し進み、音が増えてくると楽しさはさらに広がります。

ポイント3:先生への細かい解説

リラフレッチャーでは、先生へ向けて書かれていると思われる解説がとても丁寧です。

大人の独学の場合は自分で解説が理解できるので、ここがとても役に立ちます。

第2巻の「手首のスタッカートの弾き方」では、

(前略)まず、手首を柔らかくしておきます。そして、手を軽く鍵盤の上に落とし、すぐ手首をかえしながらはなします−ちょうどゴムまりを低いところから落とすとはねかえってくるように。(後略)

リラフレッチャー ピアノコース2 P20「手くびのスタッカートのひき方」

写真と共に、細かくスタッカートの弾き方の解説が書かれています。

子ども向けのテキストでここまで詳細に書かれているものはあまりありません。

この教本に足りないことろ

  • リズムの解説が少ない
  • 音符の仕組み(線の音符、間の音符など)にはあまり触れられないので、音符に苦手意識がある方はドリルなどで補うと良い
  • コード奏などは出てこないので、ポピュラー曲を演奏したい方には遠回りかも

こんな人におすすめ

  • 楽しい曲で上達したいけれど、子どもっぽい楽譜はいやだ
  • レトロなものが好き
  • クラシックのピアノ曲を弾けるようになりたい
  • 演奏方法(手首の使い方など)にも興味がある

教本概要

  • 「リラ・フレッチャー・ピアノコース1〜6」
  • 1950年 アメリカで出版
  • 1985年 日本語訳出版
  • 併用テキストなし
  • 全6巻(第2巻終了で、バイエル終了程度)
  • 第1、2巻までで130曲

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楽しいピアノライフを!

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