大人のために書かれたピアノの入門教本はたくさんあります。
楽譜屋さんに行けば「大人のピアノコーナー」が設けられているほど。
まず自分でやってみようと思い楽譜屋さんに来たものの、何が自分にぴったりなのか、どれがいいのか、わからない。。。
そんな方も少なくないと思います。
大人のための入門書を読み解き、それぞれの特徴をご紹介するシリーズ第14弾。
教本選びの参考になれば嬉しいです。
「鍵盤シールですぐ弾ける!はじめてのらくらくピアノ」光畑浩美著
目次
- ポイント1 指を動かして、脳を活性化させよう!認知症予防に!
- ポイント2 指番号を覚えて弾こう!楽譜はほとんど読まなくてOK!
- ポイント3 「懐かしの名曲」を弾こう
- この本に足りないところ
- こんな方におすすめ
- 教本概要
ポイント1 指を動かして、脳を活性化させよう!認知症予防に!
手指からの刺激は、脳の活性化に与える影響はとても大きいと言われています。
手指の次に大きいのが口や舌、つまり発声すること。
ピアノを弾き、さらに一緒に歌うことで、脳を活性化させよう!というのがこの教本の趣旨です。
「らくらくピアノ」というのは、教本だけではなく、中高年対象のピアノ指導市民講座からスタートした教室で、現在では47都道府県に支部があり、たくさんの認定講師と受講生が活動しているとのこと。
らくらくピアノの詳細は↓こちら↓をご覧ください
こちらの教本で目指すところも、団体の趣旨である「中高年のみなさまの生き甲斐に繋がる音楽」というものにとても一致しています。
楽譜を読めるようになることや、コード伴奏や音楽の理論を学ぶことは、ここでは趣旨から外れるので触れられません。
ではどのように、ピアノを演奏するのでしょうか?次のポイントです。
ポイント2 指番号を覚えて弾こう!楽譜はほとんど読まなくてOK!
「らくらくピアノ」では、手指を動かすために、まず指番号を覚えます。
次に鍵盤にはドレミファソラシドのシールをはります。鍵盤の場所を覚える必要もありません。
そして、指番号と「ドレミファソラシド」が書かれた楽譜を見て演奏します。
とってもシンプル!
しかし、指は左右5本ずつしかなく、鍵盤はもっとたくさんあります。ですので、指を途中で移動していかなければなりません。
もう1つ覚える記号は、この指を移動する「お引越しマーク」だけ。
指を基本の場所からお引越しマークで移動させながら、広い範囲の音を弾きます。
音符を読む必要はありません。
ポイント3 「懐かしの名曲」を弾こう
演奏する曲はベートーヴェン「交響曲第9番」「エリーゼのために」、ブラームス「遠き山に日は落ちて」などクラシックの有名な曲や、「なごり雪」「いい日旅立ち」「もしもピアノが弾けたなら」などの歌謡曲。
中高年の方でしたら、どこかで耳にしたことのある曲ばかりです。
知っている曲だから、楽譜が読めなくても指番号と鍵盤シールで弾くことができます。もし知らない曲だったら、間違えたことに気がつかなかったり、音の長さを音符で理解しなければなりません。
また楽譜にはCDが付いているので、まず耳で体感することができます。
知っている曲を自分の指を動かして鳴らすというのは、楽器演奏でもっともワクワクする瞬間の1つだと思います。
脳を活性化させて、楽しみながら最短の方法で名曲を弾く。
音楽好きの方の新たな趣味にはぴったりです。
この本に足りないところ
- 「楽譜が読めなくてもピアノが弾ける」という趣旨の通り、楽譜のルール、音楽のルール(調や音程)には触れられません。
- そのほか、ピアノという楽器についての詳細や音色を作ること、演奏の姿勢も解説はありません。
こんな方におすすめ!
- 脳活をしながら楽しく知っている曲を弾きたい方!
- 気軽に新しい趣味が欲しい方!
- 高齢の親への新しい趣味として紹介するのもおすすめです!
教本概要
- 「鍵盤シールですぐ弾ける!はじめてのらくらくピアノ」
- 2018年出版
- 著者:光畑浩美
- 全79ページ
- 併用曲集なし
- 構成:
Part1「らくらくピアノ」
Part2「タップネス」ピアノを使わずに、曲に合わせて手指を動かすエクササイズ - 曲数:14曲
楽しいピアノライフを!
執筆者
ピアノ講師・ピアノ演奏家のピアノレッスンズ。
自宅教室で指導の傍ら演奏活動を行う。
「自分で奏る喜びをたくさんの人に」をテーマにwebサイト「ピアノ・レッスンズ」を運営。
中高教員免許(音楽)取得。
チャイルドカウンセラー取得。