この記事はアフィリエイト広告を利用しています。
今回はル・クーペ著、安川加寿子校訂の「ピアノの練習ABC」を紐解いていきます。
後編の今回は、こちらのテキストのポイントを紹介していきます。
前編では内容を紹介しましたので、合わせてご覧ください。
ポイント1:短く愛らしい曲の数々
ロマン派の時代の作曲家ではありますが、曲は古典的な響きにロマン派の美しさをプラスしたような親しみやすさがあります。
美しいメロディにシンプルなリズムと響きで、気軽に楽しめる曲の数々です。
ポイント2:和音や、音階練習になる
全体を通して、左手は主要3和音を弾く曲が多くあります。
和声の機能を意識して練習することで、各調の和音を自然と身につけることができます。
また、予備練習では必ず最後に2小節のカデンツァがありますので、Ⅴ7→Ⅰの響きと弾き方に慣れることができます。
音階も同様に、予備練習や、曲の中(1番、21番)で頻繁に音階が出てくるので、曲を弾きながら音階の練習になります。
ポイント3:様々なテクニック
音階や、和音伴奏以外にも様々なテクニックの練習曲としても捉えることができます。
例えば、
- 7番は左手の5番の指でラの音を伸ばしたまま、他の指でメロディを弾きます。片手の2声の練習であり、5番の指の強化でもあります。
- 9番は重音のスタッカートを軽やかに弾く練習
- 11番は4声をレガートに弾く練習。
- 14番は同音連打の練習。同じ音を、違う指で弾きます。
- 15番はトリル
- 23番は二音のフレーズ
- 24番は前打音
というように、曲でありながら特定のテクニックの練習曲としても効果的です。
このテキストに足りないところ
- 音の範囲が狭く、ピアノの鍵盤の高い方、低い方の響きがない。
- ペダルの表記がないので、ペダルを学びづらい。必要に応じてペダルをプラスとよいと思われる曲もあるが、指導者や本人次第。
こんな人におすすめ
- 初級のテキストを終えて次に何を弾いたら良いのか迷っている方
- 子どもの頃にバイエルは終えて、ピアノを再開したいとお考えの方
- ソナチネ程度まで弾けるが、楽譜を読むのが苦手という方の初見練習として
- シンプルな曲が好きな方
テキスト概要
- 「ピアノの練習ABC」(L'Alphabet)
- 著者:ル・クーペ Le Couppey
- 校訂・註:安川加寿子
- 日本初版:1952年
- 音楽之友社
- レベル:初級後半〜中級前半
楽しいピアノライフを!
執筆者
ピアノ講師・ピアノ演奏家のピアノレッスンズ。
自宅教室で指導の傍ら演奏活動を行う。
「自分で奏る喜びをたくさんの人に」をテーマにwebサイト「ピアノ・レッスンズ」を運営。
中高教員免許(音楽)取得。
チャイルドカウンセラー取得。