琥珀色の秋の夕暮れ-田中カレン作曲

秋の夕暮れに包まれたような穏やかな気分でしっとり弾ける一曲です。

使う楽譜

田中カレン作曲

「こどものためのピアノ小品集 愛は風にのって」

こどものためのピアノ小品集 愛は風にのって: 三善晃先生の思い出に (現代日本の音楽)

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曲のレシピ

作曲者の解説

夕暮れの琥珀の色合いが時間と共に変化してゆく様子を、徐々に変化するハーモニーの色彩に託しました。秋の情景と豊かな収穫を思いながら、右手のメロディは表情豊かに、左手の音形はしなやかに演奏してください。

「愛は風にのって　田中カレン作曲」P5.曲目解説より

しくみ

形式

🅰️ 　1~16小節・・・16小節

🅱️　17~32小節・・・16小節

🅰️　33〜40小節・・・8小節

コーダ　41〜52小節・・・12小節

練習のレシピ

※全体に指番号が決められていないので、それぞれの部分の音を読む時に指番号を決めて書き込みましょう。

1. 🅰️の右手
   音符をよむ。スラーの部分がつながるように指番号を決める。
2. 🅰️の左手
   音符をよむ。
   １小節ごとに変わる和音の響きを感じながら練習する。
   14小節まで少しずつ下がっていく音を、ゆっくりと落ちていく夕日のように緩やかに感じて。
   15~16小節は一気に上にいく音は、そよ風のようにさりげなく。
3. 🅰️の両手
   両手の重なり合いを丁寧に感じてゆっくり練習する。
4. 🅱️の右手
   音符をよむ。Aと同じようにスラーの部分がつなげて弾けるように指番号を決める。
   ここからmolt espressivo (とても表情豊かに)という表情記号に注目して練習する。
   旋律の中でもっとも音が離れている7度が3回出てくるので、音が飛ぶ部分は表情豊かに丁寧に響かせる。
5. 🅱️の左手
   臨時記号（♭）が多く出てくるので、読み違えないように慎重に音符をよむ。
   17~22の6小節間は、Aでは１小節ずつ変わっていた和音の響きが２小節にのびていることに注目して、さらに流れが緩やかになったことを感じて弾く。
   25~32小節はこの曲のもっとも盛り上がるところであり、難しいところ。広い範囲に広がっていく音をゆっくり丁寧に練習しましょう。
6. 🅱️の両手
   23小節目から8小節にわたるクレッシェンドでクライマックスに盛り上げて行きましょう。
7. コーダの右手
   33~36小節はAの続きと同じ。38小節はこの曲のいちばん高い音を繊細に響かせる。39小節からは左手と役割を交代するので、響きを感じてなめらかに弾けるように練習する。
8. コーダの左手
   33~36小節はAの続きと同じ。39小節からは4小節なめらかに弾けるように指番号を決める。43小節は最低音を静かに響かせるように練習する。
9. コーダの両手
   ここでは曲の中の一番高い音と低い音が出てくる。どちらも繊細に遠くに消えていくように。
10. 通して練習する
11. 暗譜をする
    

ワンポイント アドバイス

• クレッシェンド、デクレッシェンドは、左手の和音の響きをよく感じて色彩を濃くするようなイメージを持って弾きましょう。
• 全体的にペダルを使いますが、にごらないようにきをつけましょう。
• 全体的にp（ピアノ）で静かに柔らかく弾きましょう。曲を通してもっとも強い記号はmf（メゾフォルテ）です。
• 「ABAコーダ」のそれぞれの部分の流れに物語を感じて弾くとさらにドラマチックになります。