今回は、ヤマハ音楽振興会が編著者である「NEWピアノスタディ」を取り上げます。
全7巻のこちらのテキスト。
どういったテキストでしょうか?実際にテキストを見て、全曲弾いて、紐解いていきます。
前編の今回は、各巻の内容を紹介していきます。

「NEW ピアノスタディ」とは?
「NEWピアノスタディ」は「レパートリー」「ワークブック」「CD」の3点で構成されています。
ヤマハ音楽振興会が編著者で、2009年に出版されました。
対象は小学生です。
またこちらのテキストは、ヤマハ音楽能力検定制度(ヤマハグレード)に沿って組まれています。
今回はメインテキストである「レパートリー」を取り上げます。
「NEW ピアノスタディ」レパートリー1
全34曲から構成されています。
そのうち19曲は歌詞がついていて、歌と一緒に曲に親しむことができます。
ピアノ演奏グレード13級に相当します。
演奏する曲は、ヤマハのオリジナル曲、わらべうた、外国の歌、クラシックのメロディー、バイエルなど、様々です。
内容は、幼児用に編成された「なかよしぴあの1・2」と対応しています。
「なかよしピアノ」では、1、2巻合わせて46曲なのに対して、
「NEW ピアノスタディ」レパートリー第1巻は34曲です。
「NEW ピアノスタディ」の方が曲が減り、進み方が早くなります。
各曲の注意書きもほぼ同じです。
音符の覚え方
第1巻で3オクターブの音を覚え、両手で演奏するところまで進みます。
音符を覚える進み方など、こちら↓で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
この内容を第1巻の1冊で進みます。
両手奏への導入
- 右手だけでドレミファソの5つの音を使ったメロディーを弾きます。(8曲)
- 同じようにドレミファソの5つの音を使ったメロディーを右手で弾いた後、同じメロディを左手でも弾いていきます。(3曲)
- 大譜表が登場し、片手ずつ順番にメロディーを弾く曲を弾き、曲の途中で1〜2小節、両手で同じメロディを弾く(ユニゾン)部分が登場します。(4曲)
- 左は伴奏(全音符や付点二分音符の伸ばす音)、右手はメロディという構成の曲を弾きます。(4曲)
- 先生との伴奏で、左手のみベースラインを弾く曲、左手だけでメロディを弾く部分と、右手がメロディで左手は伴奏を弾く部分からなる曲、右手のみの曲を1曲ずつ挟みます。
- ユニゾン、左手メロディ、両手(左手長い音符の伴奏)などの曲、またはそれらが組み合わさった曲を弾きます。(4曲)
- 部分的に右手も左手もメロディで、ポリフォニーへの導入の曲が登場します。(1曲)
- 30曲目に左手が分散和音の伴奏(アルベルティバスなど)が登場
このような順番で片手奏から、両手奏へ向かいます。
テキストの初めから両手で縫うように1つのメロディを演奏して、左右とも同じように進んでいく導入テキストとは違い、
初めは右手に慣れて、右手を補う形で左手が登場します。
そのほかの重要なこととしては、ハ長調のほか、ト長調を弾きます。
「NEW ピアノスタディ」レパートリー2
第2巻は全23曲です。
そのうち8曲は先生と連弾です。
また7曲に歌詞がついていますので、歌いながら曲に親しむことができます。
ピアノ演奏グレード12級に相当します。
主に新しく学ぶのは、以下の通りです。
- へ長調
- ハ長調の主要三和音
- へ長調の主要三和音
- 4小節をひとまとまりに弾く
- ナチュラル
- イ短調
- 付点四分音符
学ぶ曲は、
外国の曲(外国の民謡やわらべうた)、クラシック、ヤマハのオリジナル、など様々です。
21曲めには伴奏を考えて抜けている部分を埋めて曲を完成させる課題が登場します。
「ロンドン橋」の左手の楽譜が一部抜けているので、和音(Ⅰ・Ⅴ7)を選んで弾きます。
「NEW ピアノスタディ」レパートリー3
全26曲です。
そのうち5曲が先生との連弾です。
そのうち歌詞がついている曲は前半に2曲のみで、前巻に比べてグッと減ります。
ピアノ演奏グレード11級に相当します。
新しく学ぶことは以下の通りです。
- ニ短調
- ニ短調の和音
- ト長調の和音
- イ短調の和音
- 手の交差
ここでも第2巻同様、伴奏を考えて抜けている部分を埋めて曲を完成させる課題があります。
第2巻では1曲でしたが、第3巻では3曲、伴奏づけをします。
左手の楽譜が一部抜けているので、和音(Ⅰ・Ⅴ7)を選んで弾きます。
また当てはめた和音を、伴奏の形を変えて弾きます。
また最後に「チャレンジピース」として、レッスンを最後まで終えた方へのプレゼントの3曲が収録されています。
「NEW ピアノスタディ」レパートリー4
全21曲です。
そのうち3曲が先生との連弾です。
この巻から歌詞がついているものはなくなります。
第4巻と次の第5巻を合わせて、ピアノ演奏グレード10級に相当します。
新しく学ぶことは以下の通りです。
- 8分の6拍子
- 16分音符
メインの15曲の後に、
「メロディに和音をつけて弾いてみよう」という課題が3つ、
第3巻同様に「チャレンジピース」が3つあります。
学ぶ曲は、
ロシアやドイツの曲に加えて、ベートーベン、バルトーク、テレマン、グレチャニノフ、グルリット、ヘンデル、フンメルなど、
クラシックの曲が多く並びます。
「NEW ピアノスタディ」レパートリー5
全21曲です。
そのうち3曲が先生との連弾です。
第4巻と次の第5巻を合わせて、ピアノ演奏グレード10級に相当します。
新しく学ぶことは以下の通りです。
- 18分の3拍子
- ペダル
- ニ長調
学ぶ曲は、
グルック、フォスター、グルリット、リュリ、バルトーク、マイカパル、ハイドン、エルガー、ディアベリ、リヒナー、などのクラシックの曲が中心です。
第4巻と同様に、「メロディに和音をつけて弾いてみよう」「チャレンジピース」というコーナーにそれぞれ3曲あります。
「NEW ピアノスタディ」レパートリー6
全21曲。
そのうち3曲が先生との連弾です。
第6巻と次の第7巻を合わせて、ピアノ演奏グレード9級に相当します。
新しく学ぶことは次の通りです。
- ト短調
- ホ短調
- 32分音符
学ぶ曲は、ベートーベン、モーツァルト、グルリット、ディアベリ、マイカパル、バルトーク、ケーラー、ハイドン、チェルニーなどクラシックの曲が中心です。
巻末には「メロディに和音をつけて弾いてみよう」「チャレンジピース」というコーナーにそれぞれ3曲あります。
「NEW ピアノスタディ」レパートリー7
全21曲。
そのうち3曲が先生との連弾です。
第6巻と次の第7巻を合わせて、ピアノ演奏グレード9級に相当します。
新しく学ぶことは以下の通りです。
- ニ短調
- 複付点四分音符
収録曲は、
これまでの作曲家に加えて、シューマン、パーセル、グリンカ、ドリーブ、チャイコフスキーなど、ここでもクラシックの曲が中心です。
以上、各巻の内容を見てきました。
後編では実際に演奏して感じたポイントを紹介します。



“「NEW ピアノスタディ レパートリー」内容を紹介【前編】子ども導入教本#29” に対して1件のコメントがあります。
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