今回は永瀬まゆみ著「ドレミファソで始める かんたん!すごい!さきどり!ピアノテクニックの本」を紐解いていきます。
どのようになテキストでしょうか?
前半の今回は内容を詳しく見ていきます。

ドレミファソで始める かんたん!すごい!さきどり!ピアノテクニックの本
2008年にヤマハミュージックメディアから出版されたピアノテクニックのテキストです。
著者の永瀬まゆみさんは、ピアノ指導者として活躍し、多くのコンクールで高い実績をあげた方です。
まずは巻頭の「はじめに」に書かれた言葉を手掛かりに見ていきます。
対象
- 導入期の幼児や小学校低学年
- テクニックの整理のためにどなたでも使用可
- どの教則本とも併用可能
- きわめて早い時期から使用できる
- ドレミファソの鍵盤の位置を覚えた時点で始めることができる
内容には楽譜が出てこないので、音符やリズムをわかる前から使うことができます。
目的
- 簡単なことをより高度なものへと応用、発展させていく
- 簡単なものでどんどん指を動かしていくことで、指が未分化な状態から分化を促進し、指を育てる
- 必要最低限のことを繰り返し行い定着させ、曲の中ではそれらを応用するだけで高い演奏に持っていく
「効率的でより効果的」なレッスンを可能にするといいます。
内容
大きく分けて4つの部分から構成されています。
- 準備
- ばんそうバージョン
- きほんバージョン
- スケール・カデンツ・アルペジオ
次にそれぞれを詳しく見てみます。
準備
ここでは、テクニックの課題に入る前の準備をします。
おもな内容は次の通りです。
- 弾くときの姿勢・手の形
- 鍵盤のドレミファソの位置
- 指番号
- 指の体操
指の体操では、次に出てくるテクニック課題の基本となる3つの動きを練習します。
3つの動きとは次の音型が元になったものです。
- ドレミファソ
- ドミソ
- Ⅰ・Ⅴ7の和音
そして、この基本の3つの動きを、ト長調(ソラシドレ)とへ長調(ファソラシ♭ド)でも弾きます。
ばんそうバージョン
ここでは4拍子と3拍子の伴奏形を弾けるようになります。
右手は「ドレミファソファミレ」だけを弾きます。
それに合わせて左手はⅠ・Ⅴ7の和音の伴奏形を次のとおりに弾きます。
- 4拍子では5種類
- 3拍子では2種類
これらになれたら、ト長調(ソラシドレ)とへ長調(ファソラシ♭ド)でも弾きます。
きほんバージョン
ここでは「ドレミファソ」だけを弾き、指・手首・腕が使い分けられるようになります。
次の9つの項目を弾きます。
- 指の独立・リズム練習(お指の体操1・2)
- 4種類のリズム練習
- 二音のスラーと応用
- 手首を使う弾き方と、指だけを使う弾き方
- うでの重みの使い方
- 手首の回転
- なめらかに弾く練習
- 落とすスタッカート、はね上げるスタッカート
- 肩・肘・手首・指の付け根を動かす練習をしてから、弾く
- ノンレガート
- 腕と使う方法と、指を使う方法
- バランス
- 左右の手の強さを変えて弾く
- 強弱をつける
- ピアニシモからフォルテシモまでを段階的に強さをかえる練習
- 応用練習
- これまでやったことを組み合わせる
スケール・カデンツ・アルペジオ
ここでは、カタカナの「ドレミ」とその上に書かれた指番号を見て次の練習をします。
- 1オクターブの音階(スケール)
- Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅴ7-Ⅰのカデンツァを基本形・第一、第二転回形で
- Ⅰの和音のアルペジオ
これらをハ長調とイ短調で弾きます。
以上、内容を詳しく見てきました。
後編ではポイントを紹介しますので、合わせてご覧ください。


