今回は丸子あかね編著 轟千尋作曲の「ちいさなおんがくかい」①②を紐解いていきます。
後編の今回は、実際に演奏して感じたポイントを紹介していきます。
前編では内容を詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。

ポイント1:子どもの視点に立ったデザイン
イラストレーター尾田瑞季さんの可愛らしく優しいタッチの絵が、表紙だけではなく中身にも統一されています。
楽しげで優しい表情の動物たちと一緒にレッスンを進めていくような、温かな雰囲気が全体的にデザインされています。
動物たちの様子を見ながらお話を作るようにイメージを膨らませ、音楽の世界に入って行くことができます。
鍵盤図、音符、ことばなどは大きく書かれてわかりやすく、子どもが抵抗がなくレッスンに入ることができるようにデザインされています。
子どもの視点に立ったデザインが工夫されています。
ポイント2:ひと工夫された楽しい曲たち
先生との連弾で演奏するのは轟千尋作曲の素敵な曲の数々です。
子どもが演奏する2〜3音に伴奏をつけることでぐっと世界が広がります。
歌詞があるわけではありませんが、音楽だけでイラストやタイトルの世界を豊かに表現されています。
どの曲も響きやリズムにふっと注意が向くひと工夫された部分が必ず1箇所あるように感じました。
様々な音域を弾き、ピアノの魅力を存分に感じられる曲たちで構成されています。
ポイント3:はじめてではなくても連弾やリズム練習にも使える
ピアノをはじめて学ぶ子どものために書かれたテキストですが、鍵盤を使ったリズム練習にも使うことができます。
メトロノームに合わせて手を叩くようなリズム練習は単調になりがちですが、先生の演奏に合わせて、リズムに乗って簡単な音を演奏することは音楽の生きたリズム練習になります。
一人で演奏するとリズムや拍子感が多少ブレていても気がつかないですが、連弾をすることで、先生の心地よいリズムに乗ってリズム感を養うことができます。
ピアノにある程度親しんだ人にとってもリズム感を養う課題としても、音楽遊びとしても、最適です。
このテキストに足りないところ
- 1つの音に1つの曲を弾いて進むので、覚えられない場合も考えられます。その都度別の課題や遊びで補う必要があります。
こんな方にオススメ
- かわいいイラストが好きな方
- これからピアノをはじめるお子さん
テキスト概要
- 「ちいさなおんがくかい」①②
- 編著:丸子あかね
- 作曲:轟千尋
- 絵:尾田瑞季
- 2012年出版
- 学研パブリッシング
- 併用テキスト:「リズムのほん」「みんなだいすき おんぷカード」
- レベル:導入
楽しいピアノライフを!


