今回は、「NEWピアノスタディ」を紐解いていきます。
後編は実際に演奏して感じたポイントを紹介していきます。
前編では各巻の内容を紹介していますので、併せてご覧ください↓

ポイント1:「聴く」ことからはじめる
それぞれの巻末に曲の取り組み方が書かれています。(第1〜3巻「たのしいレッスン」、第4〜7巻「練習ガイド」)
それによると、1番はじめの段階は「聴く」ことです。
先生の演奏やCDを聴いて曲の感じを掴みます。
そのあとに、歌ったり、楽譜を読み込んだりすることで曲に親しみます。
そして、曲に親しんだところで、実際にピアノに向かい弾いていきます。
「聴く」ということを重視しています。
ポイント2:オーソドックスな曲が並ぶ曲集
このテキストで学ぶ曲は、クラシック曲や色々な国の民謡やわらべうたなどが並んでいます。
かわいらしいイラストで現代風な見た目ですが、曲は極めてオーソドックスで正統派です。
時々ヤマハの曲が登場しますが、多くが古くからあるメロディーを弾きます。
古くからあるメロディであることに加えて正統派と感じる理由は2つです。
- 主要三和音で構成された曲が多い
Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ7を着実に身につけて、伴奏づけできるようなるように構成されています。 - 右手主導の曲が多い
多声音楽への導入のような左右同等の曲もいくつかありますが、基本的に右手が旋律で左手が和音やアルペジオで伴奏をするというものが多いです。
ポイント3:伴奏づけ課題がある
2巻から伴奏が抜けていて、自分で伴奏をつけて演奏するものがあります。
主和音と属七の和音で、どちらが合うかを弾きながら選びます。
これまでのポイントで述べたように主要三和音で構成された曲をたくさん弾き、「聴く」ことをトレーニングしているので、耳できいて判断できるようになっていきます。
ポイント4:音符の習得は早め
第1巻で3オクターブの音符を覚え、そこで音符の並びの仕組みを覚え、2巻以降もどんどん広がっていきます。
「聴く」ことが重視されていて、楽譜は聴いた曲を確認するように読んでいくので、どんどん新しい音符が登場します。
音符の読み方を1つずつ覚えて弾けるようになるというアプローチとは違います。
ポイント5:楽典や理論などの説明はない
このカリキュラムは今回紹介した「レパートリー」の他に、「ワークブック」と「CD」があり、その3点で構成されています。
このレパートリーは曲集の形をとっていて、楽典などの理論は「ワークブック」の方に載っています。
ですので、楽譜に関する説明や音楽の理論は、「レパートリー」にはほぼ載っていません。
言葉自体がとても少なく、イラストと楽譜で構成されています。
レッスンで使う場合も、一人でやってみようと思う場合も、CDとワークブックを一緒に使うことをお勧めします。
ポイント6:説明文が最小限なので、譜面がすっきりしている
説明文が少ないので、楽譜自体がごちゃごちゃとしていなくて、1ページごとに曲の世界観を邪魔しないようにできていることも魅力的です。
この教本に足りないところ
- リズムに特徴がある曲が少ない
- 響きがユニークなものは少ない
- 知らない曲を音符を見て弾けるようになるようなアプローチはない
こんな人におすすめ
- 基本的な和音の動きを耳でも手でも覚えたい方
- シンプルな曲が好きな方
- 耳で聴く力を養いたい方(CDとの併用必須)
- ごちゃごちゃした楽譜が苦手な方
- オーソドックスな曲を弾いてレベルアップしたい方
教本概要
- 「NEWピアノスタディ」1〜7
- ヤマハミュージックメディア
- 2007年出版
- 編著者:ヤマハミュージックメディア
- カリキュラム監修:及川良子
- 制作協力:木村もと子・佐藤薫子・水島恵美・安永珠弓
- レベル:導入〜中級程度
楽しいピアノライフを!



“「NEW ピアノスタディ レパートリー」魅力を紹介【後編】子ども導入教本#29” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。