ヤマハ音楽振興会が編著者である「NEWなかよしピアノ1・2」
どういったテキストなのでしょうか。
後編のは実際に演奏して感じたポイントを紹介します。

前編では、それぞれの内容を詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
ポイント1:CDをきいて、歌を覚えてから、弾く
巻末に、「たのしいれっすん」と題して、レッスンの手順がイラストともに書かれています。
それによると、レッスンの順番は以下の6つです。
- きこう・・・せんせいの ぴあのや うたや CDの おとをきこう
- うたおう・・・せんせいの 真似をしよう
- ひこう・・・歌いながら弾こう
- あわせよう・・・先生と弾いてみよう
- よんでみよう・・・弾けるようになったら 読んだり 歌ったり しよう
- みんなに きいて もらおう
「ひこう」の後に「よんでみよう」があることが特徴的です。
この段階では、弾くために楽譜を読むのではなく、弾いた後に確認するように楽譜を読むこと方法が勧められています。
ではどのように弾くのかというと、先生のお手本や、CDをきいて音を覚え、耳コピに近い形で、弾きます。
耳を使い、音感を養うこと重視していることがわかります。
ポイント2:覚える音符が一度にたくさん出てくる
覚える音符が一度に4〜5つ同時に出てくるというのは、かなり多い方です。
1、2巻併せて全部で46曲で3オクターブの音を覚えるのはかなり進度が早いと言えます。
例えば「リラ・フレッチャー」というテキストでは1巻全59曲で2オクターブまでです。
日本で広く使われている「バイエルピアノ教則本」では、ドレミファソの5つの音のみで、2〜4小節と短い曲ですが、48曲弾きます。
ポイント1でも紹介したように、「音符を覚えてから弾く」ということよりも、耳で聞いて覚えた曲を、楽譜や鍵盤に当てはめるという手順で曲に取り組むためにそのような早いスピードで進むことができるのだと思います。
ポイント3:絵本のような楽しいデザイン
楽譜を読むことを重視していないことから、細かな理論などの説明もありません。
「レパートリー」というタイトル通り、曲集の形をとっている教材です。
楽譜を開くと、大きな楽譜と歌詞、その曲にあったイラストが描かれていて、1ページごとに世界が広がります。
細かな解説が多いとどうしても楽譜全体がごちゃごちゃとしたデザインになってしまいがちですが、
「NEWなかよしピアノ」は、すっきりとしたデザインで、小さなお子さんも楽譜に親しみを持って取り組むことができそうです。
この本に足りないところ
- 手指の形や姿勢などには触れない。
- 音符の読み方(音程や上行、下行など)には触れない。
- 理論などの解説はほとんどなく、新しい音符が出てきたときにも小さな図が書いてあるだけなので、ワークと併用することが必須だと思われます。その曲を使って、レッスンで先生が必要な補足をしながら進めていく形がいいかと思います。
こんな人におすすめ
- 細かいことは抜きにして、ピアノを楽しく演奏したい方
- お子さんと一緒に家でピアノを楽しみたいとお考えの、ピアノを弾ける保護者の方
- メインで使用しているテキストの他に、楽しく連弾できる曲を探している先生や保護者の方
- 「聞く」ことを優先して、音感を養うことを重視しているレッスンでソルフェージュの教材を探している方
教本概要
- 「NEWなかよしピアノ レパートリー1・2」
- 出版:ヤマハ音楽振興会
- 2009年出版
- 編著者:ヤマハ音楽振興会
- 併用テキスト:「NEWなかよしピアノ ワークブック」、CD「NEW なかよしピアノ」
- レベル:導入
楽しいピアノライフを!


