大人のために書かれたピアノの入門教本はたくさんあります。
楽譜屋さんに行けば「大人のピアノコーナー」が設けられているほど。
まず自分でやってみようと思い楽譜屋さんに来たものの、何が自分にぴったりなのか、どれがいいのか、わからない。。。
そんな方も少なくないと思います。
大人のための入門書を読み解き、それぞれの特徴をご紹介するシリーズ第11弾。
今回は「コード奏による大人のピアノ レッスン」を紐解いていきます。
教本選びの参考になれば嬉しいです。
コード奏による大人のピアノ/レッスン(1)~(3)野呂芳文著
著者は作曲家・編曲家の野呂芳文氏。
ピアノのほか、ヴァイオリン、フルート、トランペット等の管楽器、ドラム、オカリナを演奏されるというマルチな方!
たくさんの教本を出版されています。
マルチプレイヤーらしい、ピアノ独奏だけにこだわらない教本です。
レベルとしてはピアノや楽譜の基本的なことはわかっていることが前提です。
「はじめに」を読むと「初心者の方も」とありますが、まったくはじめての方には難しい印象です。
この教本のポイントを紹介します。
ポイント1.コード奏ができるようになる!
コードというのは和音(3つ以上の音を同時に弾くこと)のことです。
コードネームとは和音につけられた記号です。C、Cm、D7、など、ローマ字や数字の組み合わせで弾く音を示すものです。
Cは「ドミソ」、D7は「レファ#ラド」を表します。
これがわかるととても便利です。
クラシックの曲には、コードネームが書かれていることはほとんどありませんが、ポップスや動揺などはコードネームが表記されています。
メロディーとコードネームを見れば、伴奏を弾くことができます。
コードネームをみて演奏することをコード奏と言います。
コード奏ができるようになるためはたくさん弾いて慣れることが重要です。
こちらの教本はコード奏に重点を置いているので、進めていくうちに慣れてくると思います。
ポイント2.旋律楽器や歌の伴奏、弾き語りをしたい人にも!
ピアノは多くの場合、ひとりで演奏して曲が完成します。
ピアノだけ弾いていると当たり前のことのようですが、ひとりでは曲が完成しない楽器の方が多いのです。
旋律を演奏する楽器(フルート、バイオリン、サックスなど)や歌は伴奏パートが必要です。
伴奏パート=ピアノの出番です!
旋律楽器の伴奏のは、ひとりで演奏するのとは違った楽しみがあります。
この伴奏をする時に、コード奏ができると、とても役に立ちます。
ピアノ用の伴奏楽譜が付いていなくても、旋律とコードが書いてある楽譜さえあれば、すぐにある程度の伴奏ができ流ようになります。
ポイント3.移調をして弾く訓練にも
また、歌の伴奏ではキーの上げ下げを求められることもしばしば!
自分で歌う方は、今日は少し下げて歌いたい、なんてこともあると思います。
ひとつひとつの音符を目で追って楽譜を弾いているとこれがとても難しいですが、コード奏はキーを変えることの近道でもあります。
キーを変える(転調)の練習課題もあり、ピアノ伴奏をやりたい方にはいい練習になると思います。
この本に足りないところ
楽譜のルールをある程度知っていることが前提です。
音符の高さの読み方、音符の長さはもちろん、音程についての知識もあるとスムーズだと思います。
こんな方におすすめ
・ピアノをはじめてある程度楽譜は読めるようになったので、コード奏もやってみたいという方
・昔ピアノを習っていて、今度はコード奏を中心にやってみたいという方
・弾き語りをやってみたい方
・ひとりで演奏するだけではなく、他の楽器と一緒に演奏したい方
教本概要
- 「コード奏による大人のピアノ レッスン(1)~(3)」
- 著者 野呂芳文
- 2015年出版
- ドレミ楽譜出版
- 曲数・・・58曲(伴奏、調が違うものを含む)
- 1巻63ページ
- レベル・・・入門終了程度〜中級
楽しいピアノライフを!!


